給料は全社員で決める!? 「働きがいのある会社」1位の会社が実践する制度

みなさんが将来、仕事をするときに大事にしたいことはなんでしょうか。やりたいこと? それともお金? 人によって何を目的にして働くかはさまざまです。しかし、意外と忘れてはならないのが「人」。どんな人と働くかによっても仕事の楽しさや充実度は変わってきます。今回は「働きがいのある会社ランキング」の1位を獲得したアクロクエストテクノロジー株式会社の珍しい社内制度をご紹介します。
この記事をまとめると
- 「働きがいのある会社」に選ばれた企業にはある社内制度が存在する
- 誕生日には全社員から花一輪が贈られる
- 給与の査定は全社員で決める
社員が働きやすくなるための制度が存在
アクロクエストテクノロジーはソフトウェアの開発やミャンマーのマーケティングサービスなどをおこなうITベンチャー企業。その事業内容だけでなく、企業風土にも注目が集まっています。
2年連続(2015~2016年)でGreat Place to Work の調査による「働きがいのある会社」ランキング 1 位(従業員数 99 名以下の部)に選出されたほか、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」(主催:人を大切にする経営学会)の審査委員会特別賞を受賞しました。「やりがいのない仕事はやらない」と掲げているほど「働きがい」を大切にしているというこの会社は、社員が働きやすくなるための制度があるのだそう。一体どんな制度なのでしょうか。
誕生日には全社員から「花一輪」が!
アクロクエストテクノロジーでは、全社員がそれぞれ花を一輪ずつ用意し、誕生日の社員にプレゼントする「花一輪」という取り組みが行われています。
「よくほかの会社から、『お花の費用はどうしているの?』と聞かれます。一般的には、会社がお花代を負担するものだという認識なんですよね。しかし、弊社では社員一人ひとりが自分でお花を買ってきてプレゼントしています」と取締役副社長の新免玲子さん。
「それが実現できているのは、全社員で話し合って決めた取り組みだからです。決して会社が強制して作った制度ではありません。そもそも会社が負担したお金でお花を贈っても、なんとなく義務感が生まれてもらったほうもうれしくないですよね。話し合って全員が納得しているからこそ、自分でお金を出すことを嫌がる社員なんていないんです」
給与の査定は全社員で行う
花一輪を贈る文化だけでなく、給与面でも他社とは違う取り組みがなされています。たとえば一般的な企業であれば、個人の給与額は基本的に本人しか知りません。しかし、アクロクエストテクノロジーでは「Happy360」という制度があり、給与や賞与の査定は全社員で行います。つまり、全社員がそれぞれいくらお金をもらっているのか把握しているのです。実行するのが難しい面もたくさんありそうですが、新免さんは「全社員で査定することが大事」だといいます。
「『Happy360』は360度全部の角度から評価されるという意味を込めています。上司も部下も関係なく全員で評価しあうことに意味があるんです。お互いのいいところを発見できる場にもなりますし、給与額の理由が明確だと不満も生まれにくいですよね」
そのほか、アクロクエストテクノロジーにはたくさんの制度が存在します。社内制度についても日々社内で話し合いが行われ、実行されるものもあれば、なくなる制度もあるそう。制度の内容以上に、社内で話し合いが行われる風通しのよさが働きがいがあると評価される理由の一つなのでしょうね。
「将来どんな仕事をしようか」と考えたときに、つい職業や仕事の内容にばかり目がいってしまいがちですが、会社の理念や社風に注目してみるのもひとつの考え方。いろいろな視点から見てみると、自分のやってみたい仕事に出会えるかもしれません。
たとえば、社員が働きやすい環境について考え、整備していくのが人事の仕事の一つです。会社の制度は会社ごとに異なります。さまざまな会社の制度について調べてみてはいかがでしょうか。
この記事のテーマ
「ビジネス・経営」を解説
国内外を問わず、幅広いビジネスの現場で企業に利益をもたらす仕事です。それぞれの業界に精通した営業職はもちろん、経営コンサルタントや税理士といった経営をサポートする専門職もあります。後者の仕事をめざすには、法律などの専門知識や文書作成などの技能を磨く他、資格取得や検定合格が必要な場合もあります。
この記事で取り上げた
「人事・労務」
はこんな仕事です
人事の仕事は、社員の採用に関わる業務や、社員研修の企画・実施、人事異動や配属、給与の計算など、人に関わる業務を全般的に行う。一方、労務の仕事は日々の勤怠管理の他、社会保険や雇用保険の手続き、労働組合との交渉など専門的な知識が必要になるが、人事と労務を兼務する会社もある。いずれにしても、個人情報を取り扱う重要な仕事のため、社会人としての倫理観と責任ある行動が必要だ。また、社員の質は、業績アップにもダウンにもつながるため、経営的な視点で業務を行うことが求められる。
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