人気イラストレーター、STUDY優作さんにLINEスタンプの作り方を聞いてみた。
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友達や恋人、家族との連絡手段としてお馴染みのLINE。そんなLINEの魅力の1つでもあるスタンプを自分で作れたら……と思ったことはありませんか?実は高校生も保護者の同意のうえ、銀行口座とアカウントがあればLINE Creators Marketに登録してスタンプを制作することができるのです。
そこで今回は、7種類ものLINEスタンプ制作経験を持つイラストレーター、STUDY優作さんにインタビューを行ないました。LINEスタンプを作ってみたい方、将来的にイラストのお仕事をしてみたいという方、必見です!
イラストを描くようになったのはTwitterへの投稿がきっかけだった
——STUDYさんが深夜にTwitterへ投稿されている、シュールなイラストは私も毎日楽しみにしています。イラストを描くようになったきっかけを教えてください。
今のようにパソコンでイラストを描くようになったのは、Twitterへの投稿がきっかけですね。最初は友人たちと楽しんでいる、という感じでした。
——仲間内で楽しんでいたところから一気にフォロワー数が拡大し、現在は約12万人ものフォロワーを獲得しています。イラストが人気になった瞬間は、どのようなものでしたか。
フォロワーさんが300人くらいになった頃「ライトセーバーで戦っているミジンコと、ひじき」というイラストを描いたところ、7,000リツイートされました。何故反響があったのかはいまだに分からないんですが、そこから反響が大きくなっていきましたね。
ライトセーバーで戦っているミジンコと、ひじき pic.twitter.com/eoa1Ui1TK6
— STUDY(反省) (@study666i) 2013年5月7日
——STUDYさんが持つゆるい作風は、どのように確立していったのでしょうか。
元々イラストはあまり得意ではないので、描くうえでは「自分の好きなように描く」と決めています。そのように描いていたら、だんだんpixiv(イラスト投稿サイト)で「意味の分からない絵を描いている人がいる」といったコメントをいただくこともあり、少しずつテイストが確立していったように思います。
——ゆるいイラストのアイデアはどこから生まれているのでしょうか。
Twitterに投稿するイラストのアイデアはリアルタイムで考えています。たまたま見ていたYouTubeの動画に出てきたオムライスを描いたこともあれば、家にある招き猫の絵を描いたこともあります。外出時に思いつくことも多いので、意識的に外に出るようにしています。ネタ帳も昔は持っていたんですけど、思いついた時に持参してないことが多くありました。そのため、Twitterにあげているイラストそのものが記録となっていますね。
LINEスタンプで気をつけることは視野性と表現
——LINEスタンプを作ろうとしたきっかけは何ですか?
イラストの仕事をいただくようになった当時、LINEスタンプといえば漫画やアニメ、企業キャラやコラボイラストなどが主でした。『いつか僕も公式で出したいな』と思って活動をしていた部分もありました。そんな矢先クリエイターズスタンプのサービスが始まりまして、『これはちょうどいいなあ』と思い作ったのがきっかけです。
——現在、合計7種類のスタンプをリリースされていますが、ご自身でもお気に入りのスタンプはありますか?
好き勝手描いていた6作目の「使えないスタンプ集」(2015年12月リリース)は、「審査に通るかな」と心配でしたが、問題無く審査に通ったのですごく気に入っています。
——「この洗剤スゴイ!」だとか「ラミネートしっぱい」など、自然とトークの中で大喜利的に使えたら面白そうですね。
「使えないスタンプ集」は基本的に使う場面のはっきりしない内容ではあるんですけれど、タイミングがあってぴったり使えた時にすごくスッキリするだろうなぁと思って作ってる部分もあります。洗剤の話になったら「この洗剤スゴイ!」のスタンプが使えたらいいなあと思いますね(笑)。
——リリースしてみての反響はいかがでしたか?
「使えないスタンプ集」に関しては狙い通り「すごく使いにくいです」っていう声や、「長く使えそうですね」という声をいただいています。未だにダウンロードしたというコメントをいただくなど、継続的に購入、利用していただいています。
——LINEスタンプを作るうえで作品に変化はありましたか?
一番最初に作った「ウサギさんの地味なスタンプ」(2014年5月リリース)はスタンダードなものが多くあります。表情だったり、笑っていたり、挨拶していたり……他の人が作ったスタンプの内容と似ているものも出しています。
しかし僕は自分の作品でしか使えないスタンプを作ると最初に決めていたので、最近は『自分のスタンプでしか使えないリアクション』を重点に置いて制作してます。そして最終的に行き着いたのが「使えないスタンプ集」になりますね。
イラストレーターになるため、高校生のうちからできること
——スタンプ制作で苦労した点や気を付けている点はありますか?
失敗談になるのですが、「ウサギさんの地味なスタンプ」と2作目の「ハムタイツの地味なスタンプ」(2014年8月リリース)は文字にしか枠(わく)がついていないんですよ。キャラクターそのものに白い枠を付けていないので、LINEの背景を暗い色にしている方には非常に見づらいスタンプになってしまっていました。この経験から、スタンプを送った側、送られた側双方が見やすくなることに気をつけて制作してます。
——将来的にイラストを仕事にしたい、と考えている高校生に対してメッセージをお願いします。
僕自身もイラストのお仕事で色々夢を見ていた部分もありましたが、修正の繰り返しなど根気強く続けることが求められるので、意外と地味な仕事です。1日のうちに修正、提出、再度の修正ということもありますし、企業様とのやりとりが多いことからしっかり伝える能力も大事ですね。
締め切りや期限を守る癖をつけることも大切です。イラストのお仕事は自分1人の力ではなく、常に企業様との二人三脚。締め切りを守らないと相手からの信頼などが薄くなり、今後の制作において支障が出てしまいます。
そして、イラストが上手い下手は全く関係ありません! 実際、僕がそんな感じなので! こういった仕事に興味のある方は、学校のデザイン関係のことに詳しい先生へ相談したり、専門学校の見学などを検討するのが一番の手だと思います!
——イラストの仕事に興味のある方にとって、非常にためになるお話をありがとうございました!今後のSTUDYさんの作品も楽しみにしています!
<おわりに>
「イラストレーター」と聞けば一見華やかなイメージもありますが、修正を繰り返す根気のいる仕事であり、期限を守ることが求められるという貴重なお話を伺うことができました。
LINEスタンプについても見やすいデザインのものを作る、表現に気をつけるなど日常的にイラストを描くうえで気をつけることを身につけられそうですね。STUDYさんのお話を参考に、あなたもLINEスタンプを制作してみるのはいかがでしょうか。
【プロフィール】
STUDY優作さん
変なキャラクター、女の子のイラスト、デザインを主に製作しているイラストレーター。Twitterにてほぼ毎日、イラストを投稿している。ワニブックスにてイラスト集書籍3冊「ウサギの生態図鑑」など、サンキューマートにてiPhoneケースなどグッズを発売中。中京テレビ、TOKYOMX、その他放送局にて放送中のショートアニメ「ネコこのゴロ」の原作イラスト、脚本を制作。
URL http://www.studykurukuru.com/
Twitter https://twitter.com/study666i
この記事のテーマ
「デザイン・芸術・写真」を解説
デザインは、雑誌や広告など印刷物を制作する「グラフィックデザイン」、雑貨やパッケージなどの「プロダクトデザイン」、工芸や日用品などの「装飾デザイン」といった職業分野に分かれます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。
この記事で取り上げた
「イラストレーター」
はこんな仕事です
手描き、もしくはパソコンを使ってイラストを制作する仕事。活躍の場は広告、雑誌・書籍といった印刷物、ホームページ、企業のキャラクターデザインなど。写実絵画からデフォルメされたものまで需要の幅は広い。依頼に応じて多様な絵柄を描き分ける人もいれば、一貫して独創的なタッチで制作する人もいる。後者は受注制作だけでなく、オリジナルグッズや画集、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)向けツールなどをつくって販売することも。いずれの場合も経験を積んだ後、フリーランスで活躍することが多い。
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