島流し先には上流文化が栄えていた? 佐渡島のもう1つの顔

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島流し先には上流文化が栄えていた? 佐渡島のもう1つの顔

2016.06.22

提供元:マイナビ進学編集部

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島流し先には上流文化が栄えていた? 佐渡島のもう1つの顔

「佐渡島」と聞いて、多くの人がイメージするのが「島流し」。昔、強盗や殺人で捕まった犯罪者たちが流された離れ孤島でもあるため、負のイメージを持ってしまいがちです。
しかし、「島流し」されたのは、実は今でいう「政治犯」「思想犯」のような人たちが主で、洗練された知識人も数多くいたのです。一般に刻み込まれた暗いイメージと全く違って、上流文化が流れ込み、金銀資源に恵まれ、物流の要でもあった佐渡島の歴史をちょっと覗いてみましょう。

この記事をまとめると

  • 佐渡島に流された人は、暴力犯ばかりではなかった?
  • 文化のトレンドに、ハイテク、北前船。活気あふれる佐渡島
  • そっくり残った産業遺産に、今再び注目が集まる

華やかな江戸から、文化のトレンドがやってきた

さかのぼること鎌倉時代、後継者問題で混乱している幕府を朝廷が攻め入った、「承久の乱」がありました。この時は朝廷側が敗れ、時の順徳天皇が佐渡島へ配流、という結果に。また、日蓮聖人が日蓮宗以外の宗派や幕府を批判したことから、佐渡島流刑にあった話もよく知られています。

今ならさしずめ、「安倍内閣の政策に反対する集会をTwitterで呼びかけたら、島流しになった」くらいといえるかもしれません。つまり、佐渡に来ることになった人の中には、知識や教養があり、志の高い人が少なからずいたのです。

1600年ごろからは佐渡の金山が注目を集めてきました。江戸幕府は佐渡を重要な資源開発地と考え、天領として「佐渡奉行所」を置きます。その初代佐渡分校校長(代官)・大久保長安は、元能役者であり、着任にあたり2名の能役者を伴ったと伝ります。

江戸で武家社会の教養だった能が、これを機に島では一般庶民に広がり、文化のトレンドとして浸透していきます。農民たちは田植えの終わった6月から、稲刈りの始まる前の8月まで、能役者にもなりました。歌人・大町桂月が、「鶯や十戸の村の能舞台」という句を残しているほど、能は暮らしに根付いていくのです。

金銀資源の豊富な宝の島に、最新テク導入

一方、金の掘削も本格化していきます。大久保長安は着任前、島根県の石見銀山を治めていたため、測量や採掘の専門的知識を持つ人材をスカウトし、即戦力として開発に活かすことができました。1600年代初めにはメキシコから製錬の最新テクが取り入れられ、その後ヨーロッパからポンプの技術が導入されました。掘削時の悩みのタネだった排水問題を大きく改善するなど、規模が拡充していきます。

採掘から製錬、小判に仕上げるまでを島内で完結できたため、幕府にとって、佐渡島は重要かつ安定した財政収入源となりました。金の掘削は実入りが良いので、島外からも多くの男たちがやってきて、金鉱のふもとの地区は、わずか3㎞四方に5万人の人口を数えるほどになったといいます。1600年ごろの日本の人口が約1200万人ですから、その規模の大きさが分かります。町屋が並び、街道が整備され、世界有数の鉱山に発展していったのです。

また当時、北海道から大阪まで米やニシン、酒、塩などの物流を担っていた北前船の重要な寄港地でもあり、商業的にも活性化していきます。江戸幕府が、日本史上群を抜いて長期政権であったのも、佐渡島の存在なくしては語れないでしょう。その後、時の流れとともに、鉱産資源が金銀から石炭中心に変わり、鉄道が発達するようになり、佐渡島の役割もひと区切りを迎えます。

現代に残る産業遺産として、再び脚光を浴びる島

最新テクを誇った大規模な産業遺産が、離れ島ゆえにそのまま残されたことが、歴史を検証する生きた資料として現在新たな脚光を浴びています。能の文化も脈々と引き継がれ、今なお6月から8月の週末は、現存する35棟の能舞台が人々を魅了する佐渡島。日本史を築いてきた人々の、息遣いが感じられる魅惑の地といえるでしょう。このような当時の風景がそのまま残された場所に行ってみることが、歴史を学ぶ上で非常に重要な体験となります。歴史を深く研究したいと思ったら、まずはその地を踏んでみてください。

■参考資料
新潟県
http://www.pref.niigata.lg.jp/bunkagyosei/1356781275779.html
佐渡市
https://www.city.sado.niigata.jp/mine/index.html
佐渡市公式観光情報サイト さど観光ナビ
https://www.visitsado.com/sado/
(社)新潟県観光協会
http://www.niigata-kankou.or.jp/10sum/index.html
新潟県立歴史博物館
http://nbz.or.jp/?page_id=49

この記事のテーマ
文学・歴史・地理」を解説

文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。

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この記事で取り上げた
「歴史学」
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歴史学とは、対象とする大陸・国・地域などにおいて、過去に起こった物事を取り上げ、当時それがどのような意味を持っていたのかを、残された物や建造物、文章などから研究する学問である。ただ、資料を正確に読み取るだけではなく、事実かどうかを疑い、踏み込んで検証する批判的視点も重要である。歴史学の基本的なラインナップには、日本史、東洋史、西洋史、考古学がある。また、政治制度・経済活動・芸術文化・信仰宗教などに特化した考察も行う。

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