火事が起きたら家を叩き壊す? 川越・蔵造り誕生のヒミツ

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火事が起きたら家を叩き壊す? 川越・蔵造り誕生のヒミツ

2016.06.22

提供元:マイナビ進学編集部

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火事が起きたら家を叩き壊す? 川越・蔵造り誕生のヒミツ

川越の「蔵造り」の町並みといえば、観光客や地元民に親しまれる美しいスポット。その誕生の背景には、実は大火災という苦い歴史がありました。火事が起きたら家を叩き壊すしかなかった当時、川越商人はどんな解決方法を考え出したのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 明治時代の後半まで、火事が起きた時は、家を叩き壊して延焼を防いでいた
  • 蔵造りの町並みは、火事そのものを起こさない切実な願いで造られた
  • 倉庫の工法でお店を建てる蔵造り店舗は、川越商人の斬新なアイデアだった

力技?「火消し」とは、火事現場の周りの家を叩き壊すことだった

今は火事が起こってしまった時、水やスプレー式の消火器などで火を消しますよね? それでは今よりも昔、消防車も消火スプレーもなかった時代には、一体どうしていたのでしょうか?

実は、消火栓が全国に普及したのは明治31年以降のこと。それから徐々に、今のような放水による消火が広まりました。江戸時代の中ごろには、オランダから「龍吐水(りゅうどすい)」という消防ポンプの原型が伝来していたものの、水圧が低すぎて消火には不十分だったのです。水で消火できない時代は、火事が起きときどうしていたのでしょう。なんと、火が燃え広がらないように、周りの家を叩き壊していたのです!

江戸時代から、消火に当たる組織として活動していたのは、その名も「火消し」。しかし彼らの仕事のメインは、破壊による消防の指揮を取ったり、道具を運んだりすることでした。消火道具として「水鉄砲(みずでっぽう)」という持ち運びサイズの消火用ポンプも残っていますが、破壊消防を行う人々に水をかけるのに使われたと考えられています。

大火事はもうこりごり……だったら、燃えない建物を造ればいいんだ!

川越市を代表する、歴史情緒の豊かなエリアといえば蔵造りの町並み。今では観光スポットとしても親しまれています。しかしそのキッカケには、明治26年に起きた大火災という苦い歴史がありました。そう、この時もやはり、人々には建物を壊すしか消火の方法がなかったのです。

当時、新河岸川(しんかしがわ)を通じた江戸との商いが盛んだったため、川越には富を蓄えた商人たちが集まっていました。彼らは、二度と同じ惨事を繰り返さないにはどうしたらよいかを考えました。その答えこそ、火事になりにくい建物を造ることでした。

大火災の時に焼け残った建物を見てみると、それらはなんと伝統的な工法で建てられた「蔵造り」のもの! 川越商人たちはこれに着目し、焼け野原に蔵造りを建て直すことで、町の復興に着手しました。当時、東京ではレンガ造りや石積みによって耐火性を追求した近代的な建物も見られるようになっていました。それらの技術も部分的に取り入れることで、川越流の独特なスタイルを生み出していったのです。

お店を倉庫風に建てちゃいました!蔵造り店舗は、川越商人の古くて新しいアイデアだった

「蔵造り」と名前も付いているだけに、もともとその工法は、倉庫を建てるためのものでした。思い切ってお店の建物をその工法で造ってしまおう、という川越商人の発想は、当時なかなか大胆なものだったといえます。

蔵造り建物を見ると、木材でできた芯に漆喰(しっくい)などを塗り重ねてできた厚い土壁の「箱棟(はこむね)」と、屋根に乗った迫力満点の鬼瓦(おにがわら)がまず印象的です。川越商人たちは、箱棟を耐火機能だけでなく装飾的な面でも重視しました。その結果、過剰に巨大なサイズで迫力満点なものが造られることになったのです。

鬼の顔をデザインした鬼瓦は奈良時代頃に生まれ、寺院建築を中心に取り入れられました。江戸時代以降には民家で用いられるようになり、家紋、防火のまじないとして「水」の字、富を求めて「福槌(ふくづち)」など、さまざまなモチーフが取り入れられました。瓦ひとつにも願いと美意識を込める、当時の人々のこだわりが伺えますね!

現在から見ると古い歴史的な建物も、その発想力に注目すると新鮮に感じるところもいっぱい。歴史や文学を学ぶ醍醐味の一つは、そんな昔の人の生き方から学ぶ、新しい発見にあるのかもしれません。

■参考資料
蔵造りの町並み/川越市 https://www.city.kawagoe.saitama.jp/welcome/kankospot/kurazukurizone/kurazukuri.html
川越市蔵造り資料館
http://www.kawagoe.com/kzs/index.html

この記事のテーマ
文学・歴史・地理」を解説

文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。

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この記事で取り上げた
「歴史学」
はこんな学問です

歴史学とは、対象とする大陸・国・地域などにおいて、過去に起こった物事を取り上げ、当時それがどのような意味を持っていたのかを、残された物や建造物、文章などから研究する学問である。ただ、資料を正確に読み取るだけではなく、事実かどうかを疑い、踏み込んで検証する批判的視点も重要である。歴史学の基本的なラインナップには、日本史、東洋史、西洋史、考古学がある。また、政治制度・経済活動・芸術文化・信仰宗教などに特化した考察も行う。

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