自分の体で、高齢者の気持ちを知る! 介護を「される側」になって学ぶ、体験入学って?

近年、日本では高齢化社会が進んでいます。今では、老齢人口が全体の人口の21%以上を占める「超高齢社会」となりました。
この記事をまとめると
- 数年後にやってくる超高齢社会に向けて、介護職の需要は増えている
- 介護学を学ぶ介護・福祉系の学校のオープンキャンパスでは、高齢者体験ができる場合もある
- 介護職につくためにはまず高齢者の気持ちを理解すること大切
「超高齢社会」に向けて介護への理解を深めよう
そこで、需要が増えているのが介護・福祉系の仕事。在宅の高齢者や障害者のお宅を訪ねてお世話をする訪問介護員(ホームヘルパー)や老人ホームの職員、国家資格をもった介護のプロ・介護福祉士など、介護職の需要はこれからもどんどん増えていくでしょう。
家族への介護の経験がある人もいるかもしれませんが、経験がない人は、介護職がどんなことをする仕事なのか、あまり分からないのではないでしょうか。介護職についてよく知りたいという人は、ぜひ介護・福祉系の学校のオープンキャンパスに行ってみてください。
介護・福祉系の学校のオープンキャンパスでは高齢者体験ができる!
若くて体力があり、自由に動ける高校生のみなさんにとっては、介護が必要とされる人の「思うように体が動かない」気持ちを実感しづらいかもしれません。それでは、高齢者に寄り添った介護はできません。そこで、介護・福祉系の学校のオープンキャンパスでは、学校によっては、まず介護される人の気持ちをわかってもらうという目的で「高齢者疑似体験」が行われています。車椅子に乗ってみたり、高齢者体験スーツやキットを身につけて歩いてみたりすることで、自由に動くことができない被介護者の気持ちが少しでも分かれば、実際に介護をするときに思いやりをもって接することができるようになりそうです。
また、介護食を食べさせる体験やベッドメイキング体験、スポーツレクリエーションや音楽レクリエーションの体験など、さまざまな体験授業が行われています。介護というと若くて元気な高校生からはかけ離れているものというイメージを持つかもしれませんが、どんな風に高齢者や障害者の助けをしていくかということを実際に体験してみることで、身近なものに感じられるようになってくるかもしれません。
介護学をしっかり学ぶために
介護・福祉系の学校に進学すると、介護学を詳しく学んでいくことになります。介護学とは、高齢者に寄り添って心身ともに理解し、生活を支援するための技術などを研究する学問です。最近ではロボットを使った介護や、テクノロジーを活用した介護など、新しい介護の方法も生まれてきています。介護の技術は時代と共に変わっていくものなので、次々と学ばなくてはいけないことが出てくるでしょう。
介護学は、介護福祉士やホームヘルパーになるために必ず学んでおかなければいけない学問でもありますが、将来自分のおじいちゃんおばあちゃんや両親が年をとったときにも、役に立つのではないでしょうか。自分たちにはまだまだ関係のないこと、とは思わず、ぜひオープンキャンパスに行って介護について理解を深めてみてください。
参考:
内閣府|平成26年版高齢社会白書(全体版)
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/zenbun/
この記事のテーマ
「福祉・介護」を解説
大きな戦争の減少、食糧事情の向上、医療技術の発達などにより、おもに先進国では平均余命が伸びています。同時に、生きてはいるけれども健康ではないという、要介護状態の高齢者が増加し、医療費の伸びや介護保険費の膨張など、大きな問題が山積しています。福祉は、子どもから高齢者まで人間の発達段階に応じた社会支援の理想的なあり方を探求します。個人だけでは解決できない問題を、集団・組織として考える視点を学びます。
この記事で取り上げた
「介護学」
はこんな学問です
身体や心に障がいを持った人々を支えるために、科学的な根拠に基づく生活支援技術を身に付ける学問。また、社会福祉制度についても学び、それを活用することで社会の幅広い分野で活躍できる専門知識を身に付けていく。将来は、高齢者や身体障がい者福祉施設で働く介護福祉士、介護の知識と技術の両方を兼ね備えた社会福祉士、音楽療法士、介護保険事務管理士、医療機関・行政機関で高齢者や障がいのある人々を支援する専門家をめざす。
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