駅の名前が“くまモン駅”に変身!? 熊本では、数十歩歩くたびにくまモンが現れるらしい?

「ゆるキャラ」ブームがまたたく間に広がりを見せています。代表的なところでは「ふなっしー(千葉県船橋市)」や「せんとくん(奈良県)」など、愛嬌あふれるユニークな見た目で地元の人々だけでなく、全国的な人気を集めています。その地域の特産品を擬人化したり、歴史上の人物をアニメキャラ風にデフォルメしたりするケースが多いようです。
この記事をまとめると
- 熊本駅が「くまモン駅」と呼ばれるようになった
- ゆるキャラは、地元特産品のPRや観光客誘致につながっている
- ゆるキャラを通じて日本に興味を持ってくれた外国人もいる
熊本発、ゆるキャラの代表的存在「くまモン」
そんなゆるキャラの中でも、知名度も高く、今では全国トップクラスの人気を得ているのは、ずばり「くまモン(熊本県)」ではないでしょうか。くまモンは2011年3月の九州新幹線全線開業を記念に制作されたキャラクター。地元天草市出身の放送作家・小山薫堂さんが総合プロデュースを手がけたもので、本州から新幹線でやってくる観光客に、もっと熊本に興味を持ってもらえるようにと熟考を重ねデザインやネーミングが決定されました。
これまでにさまざまなイベントに登場し、コラボレーション企画では熊本を飛び出して全国を駆け回り熊本県の観光や特産物のPRに努めてきました。その人気はとどまることなく、ついには九州新幹線開業5周年を記念してJR熊本駅が今年の9月までの期間限定で「くまモン駅」という愛称が付けられることになりました。そんな大人気のくまモンは、駅や空港、街中など至るところで観光客をお出迎えしてくれます。熊本県の天草市出身で、現在は東京に暮らすSさんはこう語ります。
「大学を卒業して地元に帰ると、市内のあちこちにくまモンがあふれていて、本当にびっくりしました。お土産屋でも完全にジャックしているくらい、そこかしこでくまモンに出会うことができます。熊本以外の人にお土産を持って行くときは、やっぱりくまモングッズを買っていきます(笑)」(Sさん)
また天草市では、港町ならではの“あるモノ”にまで、くまモンがデザインされているようです。
「漁船の係留に使う『浮き球』にまでくまモンが描かれているんですよ。漁師の家では軒先で浮き球を天日干しするので、港に近い通りでは、数メートル歩くたびにくまモンに出くわしますよ」(Sさん)
もはや観光客向けではなく、完全に地元の景色の一部に溶け込んでしまっているようです。
地域創生の一翼を担い、地方を目指す若者たち
くまモン、せんとくん、ひこにゃんなどのご当地ゆるキャラは、ほぼ例外なく地域のPRのために制作されたキャラクターたちです。地元特産品のPRや観光客誘致などのあらゆる施策に活躍するゆるキャラたちは、くまモンのように自治体が主導して、さまざまなブームや仕かけをつくり出しています。今では、地域が発信する情報が全国的なブームになる、ということも増えています。
また、最近では、「地方創生」という言葉がニュースなどで話題になることもありますが、地方自治体が全国から大学生たちを招き入れ、地元の産業、農業、町おこしなどに貢献してもらうおうという取り組みが活発になっています。その地域に住むベテランの人たちが集まり、若い人たちに技能を伝承し、また若い人たちは体力と柔軟な発想力を武器に、地方を活性化させるために働くといった取り組みもあります。こういった場で培った経験は、将来的にその地域の街づくりやさまざまな交流へと発展していくことでしょう。
地域の活性化につなげる施策を考える、都道府県職員という仕事
くまモンのようなゆるキャラをはじめ、その地域の魅力を伝える方法を考え、アピール活動を行い、地域の活性化につなげる施策を考えるのは、その地域の都道府県職員を中心とした自治体の人々です。都道府県職員は、地元の人々の暮らしや街づくりを支えるだけでなく、ほかの地域の人々に親しみを持ってもらうための施策によって、今まで知られていなかった魅力を伝えたり、観光客を呼びこんだりすることも大事な仕事です。
ゆるキャラの盛り上がりをきっかけに、都道府県職員の仕事に興味が湧いた人は、今みなさんが住んでいる地域の魅力をアピールするにはどのような方法が考えられるのか、自分なりに考えてみると、将来の仕事に役立つかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「公務員・政治・法律」を解説
公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。
この記事で取り上げた
「都道府県職員」
はこんな仕事です
都道府県の役所をはじめ、公的機関で働く人々のこと。国家公務員の仕事に比べると地域住民に接する機会が多いといえる。住民が快適に過ごせるよう公園をつくったり、地域の法令である条例を制定したりする。他にも住民票や税金の管理、道路や河川などの整備を行うなど、広い範囲で人々の暮らしを守る役目を担う。市区町村の役割が、国がつくった制度や法律を住民に直接運営することがあるのに対し、市区町村の運営のサポートや国とのパイプ役も担う。地域の工業や農業などを支援して盛り上げるのも重要な役割の一つだ。
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