プロサーファー金尾玲生さんに聞く、サーファーのお仕事

波に乗り、華麗な技を披露するプロサーファー。
大会へ出場し賞金の獲得、普段のトレーニングなど普段の仕事内容などをプロサーファーの金尾玲生さんにインタビューしてきました。
プロサーファーになったきっかけなど、サーフィン好き必見の内容です!
この記事をまとめると
- 大会に出るだけではないプロサーファーの活動
- 非常に険しいプロサーファーへの道
- プロサーファーへの道は楽しむことが大切
大会に出るだけじゃないプロサーファーのお仕事
――プロサーファーとして普段の活動について教えてください。
金尾玲生さん(以下敬称略):プロサーファーは大会に出場し、優勝を目指す他にさまざまな活動を行っています。
基本的にはトレーニングが中心で、波の高さや天候を見て練習をしたり、ジムで身体を鍛えることが日課。最近ではサーフィン専用メディアのお仕事もあり、ライディング(波に乗ること)様子を撮影し、その映像をメディアに提供したり、スポンサーさんとの広告活動も増えるようになりました。
――収入のほとんどは大会の賞金になるのでしょうか?
金尾:もちろん大会の賞金も一つの収入源になりますが、プロサーファーの多くはスポンサーさんと契約しており、その契約に応じた年俸制の収入がほとんどだと思います。
その他にもサーフィンスクールを開いている方もいらっしゃいますし、先ほどお話しした映像提供といったお仕事なども定期的に行っている方も多くいらっしゃいます。
――スポンサーさんと契約というお話がありましたが、やはりプロで活躍することでオファーが来たりするのでしょうか?
金尾:もちろん大会で目立った活躍をすることが一番だと思います。
しかし、スポンサー契約というのはプロに限った話ではありません。
自分も昨年、プロのライセンスを取得できましたが、アマチュアのときからスポンサーさんにオファーをいただいておりまして、大会の成績や活躍次第ではプロ・アマチュア関係なくお話をいただけます。
非常に難易度が高いプロサーファーへの道
――アマチュアとプロのお話がありましたが、プロサーファーになる方法を教えてください。
金尾:プロというのはJPSA(日本サーフィン協会)に認定されたサーファーを指します。
認定されるには2つの方法がありまして、そのどちらかの条件を満たす必要があります。
1つはJPSA認定のテストに合格することです。
そのテストとは、まずアマチュアのトライアルに参加して上位の成績を収める必要があり、勝ち抜くことで本戦に出場する権利が与えられます。
そして本戦での成績によって、プロの資格が与えられるのです。しかし、この大会の本戦にはプロの方も参加していて入賞するには、おおよそプロに3勝することが条件になってきます。アマチュアの方がプロに勝利することは容易ではなく、非常に狭い門である、ということができるでしょう。
2つ目はJPSA主催の大会中にベスト2ウェーブ得点で12点の成績を出すことです。
12点と言われてもピンとこないと思いますので、具体的な話をするとサーフィンの競技は技の得点で競う内容になります。
ちなみに12点という得点はアマチュアの予選ラウンドがありまして、その過去で12点以上出している方が少なく、それで12点という規定が決まったみたいです。
自分は運も味方して無事検定に合格することができ、プロ認定をいただきました。
――プロになるためには非常に険しい道のりなのですね。普段のトレーニングはどのように行っているのでしょうか?
金尾:サーフィンで使用する筋肉はサーフィンでしか鍛えられない箇所が多いため、トレーニングも「実際に波に乗ること」が中心になります。
バランス感覚を鍛えるために行うこともありますが、試合や、大きな波に向けて、ベストなパフォーマンスができるようにするためにトレーニングをしています。
とにかく楽しむことを忘れないのがプロへの近道
――話を聞くとサーフィンの上達は長年の経験が重要に感じましたが、金尾さんはいつからサーフィンを始めたのでしょうか?
金尾:サーフィンを始めたのは物心つく前だと思います。
神奈川の茅ヶ崎出身で、もともと父もサーフィンをしていたので、生まれた時点でサーフィンをする環境は整っていました。3歳のころには父に連れられてサーフィンをしていまして、初めて大会に出場したのも10歳と比較的早かったほうでしたね。
そのころから今も変わらず波に乗ることが楽しくて、ずっとサーフィンを続けてきました。
プロになるにはもちろん経験も必要ですが、大切なのは楽しむことだと感じています。
プロサーファーのなかには20代前半から目指した方もいますし、始めた時期が重要ではありません。とにかく楽しんで、ひたむきに練習することがプロへの一歩だと思いますよ。
――プロサーファーを目指す高校生へメッセージをお願いします。
金尾:プロサーファーに限った話ではありませんが、どんなことにもやり続けることで壁にぶつかることは必ずあります。
その壁はそれぞれかと思いますが、ぶつかったときに自分がどうするかによって将来は変わってきます。自分もプロを目指すか、諦めるかを何度も壁にぶつかり悩みました。
そのたびに初心に帰り、自分自身と何度も会話をしてやりたいこと、目指したいものを確認しての繰り返しでした。
進むも諦めるも自分次第なので、後悔のない選択を選ぶことが大切だと思います!
何事にもチャレンジできること、親に感謝の気持ちを忘れずに頑張ってください。
高校生は可能性が無限大の年代なので、ぜひさまざまなことに挑戦してみてくださいね!
プロへの道は険しく、並大抵の努力ではなれないサーファーの世界。
金尾さんのお話にもありましたが、楽しんでひたむきに努力する姿勢が夢を叶えるために必要なことだと感じました。「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、まずは好きなものを見つけて努力することこそが将来へつながるのではないでしょうか。
次回は金尾さんに聞く、サーフィンの魅力について紹介します。
プロサーファー金尾玲生さんに聞くサーフィンの魅力
金尾玲生
1992年6月24日生まれ
Instagram: https://www.instagram.com/reokanao/
サーフィンスクール
URL:http://www.enoshima-guidance.com/
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この記事のテーマ
「健康・スポーツ」を解説
スポーツ選手のトレーニングやコンディション管理に関わる仕事と、インストラクターなどの運動指導者として、心身の健康管理やスポーツの有用性を一般に広める仕事に分かれます。特に後者は、高齢化や生活習慣病が社会問題化する中、食生活や睡眠も含めて指導できるスペシャリストとして需要が高まっています。
この記事で取り上げた
「プロスポーツ選手」
はこんな仕事です
野球やサッカー、ゴルフ、ボクシングなど多種多様なスポーツ分野で、プロとして活躍する仕事。試合や大会でよい成績を残せるように日々トレーニングを積む。また、けがや病気をしないように体調管理をすることも仕事の一つだ。実力主義の面が大きく、結果を残すためには厳しい競争が待っているが、一流選手になると世間からの注目が高まり、やりがいに直結するだろう。プロスポーツ選手になる方法は競技によって異なるが、スカウトされるケースや入団テストを受けるケースが一般的。また、ボクシングなどはライセンスが必要になる。
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