外国人観光客が急増! 岐阜県高山市の知られざる魅力って?
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最近、岐阜県高山市を訪れる外国人観光客が増えているって知っていましたか? もしかすると外国人観光客とよくすれ違うようになった……など、実感している人もいるかもしれませんね。一体どうしてそんなに観光客が訪れるようになったのでしょうか? その理由について探ってみたいと思います。
この記事をまとめると
- 高山市では、日本人以上に外国人の観光客数が上昇している
- その理由は、高山市があらゆる面で「バリアフリー化」を図ったから
- 日本人にとっては珍しくないものでも、外国人には新鮮に見えるものは多い
特にヨーロッパ人に人気の高山市
2009年に高山市を訪れた外国人観光客数は、14万8,000人でした。しかし2015年には36万人と、約2.4倍に増えました。その中でも伸び率が顕著だったのが、ヨーロッパからの旅行客です。フランスのタイヤメーカー・ミシュランが行っている観光地評価では、高山は最高の3つ星!日本の他の街で同等の鑑定を受けたのは、東京、京都、奈良、日光だけです。
高山市は、ほんの20年前まではどちらかというと人里離れたところという印象でした。デコボコ道が多く、高齢者などにとっては歩きにくい道が多くありました。そこで高山市は、「住みよい町は行きよい町」として、どんな住民にも観光客にも居心地のいい街にしようと、あらゆるもののバリアフリー化を図りました。
その対象は、道路からトイレ、タクシー、そして言語にまで及びました。その結果、現在では高山市の観光パンフは9ヶ国語に、ホームページは11ヶ国語に対応しています。さらにお客様の声や専門家の意見を取り入れたサービスマニュアル「おもてなし365日」を発行するなど、おもてなしの心を徹底しています。そうした努力が実り、高山市には多くの外国人観光客がやって来るようになったのです。
日本的な庶民文化と大自然が、外国人を魅了
もともと高山市には、北アルプスをはじめとした大自然、数多くの温泉地、古き良き町並みなど潜在的な観光資源がたくさんありました。
かつての高山市は、京都や日光のように誰もが知っている観光地ではありませんでした。ところが、高山市にもともとある資源を見直したことで、多くの観光客を呼び寄せることができたのです。もしかするとあなたの住む街にも、思いがけない宝物が存在しているかもしれませんね。地域の特性を活かすことで、どこの地域も活性化することができるのです。
興味があれば、本格的な町おこしや観光について調べてみてはいかがでしょうか。
【参考サイト】
高山市公式観光サイト
http://kankou.city.takayama.lg.jp/2000008/2000058.html
この記事のテーマ
「社会学・マスコミ・観光」を解説
あまり共通性のないように思われる3分野ですが、じつは密接な関係があります。観光業界にとってマスコミは「広報」そのものです。マスコミの存在なくして観光業界の発展はないでしょう。もともとマスコミは商品を情報化するために社会学を重視しています。社会が求めている漠然としたニーズを精査し、わかりやすいイメージとして変換して提供するのです。今後、観光業などにおけるマスコミの存在はますます大きくなるはずです。
この記事で取り上げた
「地域社会」
はこんな学問です
国内外の都市部・農村部を問わず、地域社会の問題にアプローチし、実証的な調査・研究を行う学問。大きく分けると、2つに分けられる。一つは、地域行政のあり方を問い直し、地域住民・地元企業との連携を図って問題を解決する方法を探る地域行政学。もう一つは、グローバル化による急激な変化から地域の文化遺産を意識的に守り継承していく方法について研究する地域文化学である。2つは別々の学問ではなく、同じ問題意識を行政と文化という別の視点から考察している。