【先輩は今!】文学部を卒業した人は何しているの?

文学部と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。文学作品や哲学、歴史などについて学ぶ文学部は、文系学部の中でも一般企業の仕事に直接的に結びつくことが少ない印象。卒業した先輩たちはどんな仕事をしているのでしょうか。文学部を卒業した社会人のみなさんに聞きました。
この記事をまとめると
- 出版社や国語の先生など、直結した仕事
- クリエイティブなマスコミ系に就職
- 全く別の仕事に就く人も多い
出版社や国語の先生
・「もともと本が好きで、大学を卒業したら出版社で働きたかったです。希望通り出版社に入社することができ、今は児童文学の編集を担当しています」(27歳/女性)
・「在学中に教員免許を取得して、今は国語の先生をしています。好きな文学の魅力を伝えられるので天職だと思っています」(26歳/男性)
出版社や教員などは、文学部で学んできたことに一番結びつく仕事といえそうです。最初から「出版社や新聞社など、文章に関する仕事が就きたくて文学部を選んだ」(28歳/女性)という人も少なくないのかもしれません。
クリエイティブなマスコミ系
・「文章が好きなので、広告のコピーライターになりました。文学部の同級生もわりとクリエイティブな仕事に就いている人が多いです」(27歳/男性)
・「独学でもコンピューターグラフィックスを勉強していて、グラフィックデザイナーに」(31歳/男性)
・「在学中に劇団に入り、そのまま普通の企業に入社せず俳優になりました」(26歳/男性)
マスコミの仕事も、文学部で学んだことに近からず遠からず。自分で何かを生み出したい、と考える芸術肌の人が多いのかもしれません。
全く別の仕事という選択肢も
・「就職活動のときは、大学で勉強したことにとらわれずいろいろな業種を受けていました。就活しているうちにグローバルな仕事がしたいと思い、商社に入社しました」(29歳/男性)
・「もともとキャビンアテンダントになりたくて、大学では少し国際的なことを学びたいと思い、英文学を専攻していました。ただ、内定を取ることができず……今はホテルで勤務しています」(27歳/女性)
就職活動では学部に関係なく、さまざまな業界を受けることができます。文系は特に、学部間の垣根は低い傾向があるので全く関係のない仕事に就く人のほうが多いかもしれません。
文学部は就職面を懸念されることもありますが、「就活で文学部が不利だと感じたことはない」(25歳/女性)という声も。文学や文章に関連した仕事に限らず、文学部を卒業した人の仕事の幅は意外と広いようです。文学部では、文学だけでなく文化全般を学ぶ学部。日々の生活と切っても切れないものなので、いろいろな仕事で役立つのかもしれませんね。
この記事のテーマ
「文学・歴史・地理」を解説
文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。
この記事で取り上げた
「日本文学」
はこんな学問です
古事記や万葉集などの上代文学にはじまって、中古、中世、近世、近現代に至る日本の詩歌、日記、物語、戯曲、小説など、あらゆるジャンルの文学的な表現を研究の対象とする学問である。また、それぞれの文学作品が生み出される背景となった作家の個性、同時代的な価値観、さらには、その時代の流行などの文化的な特徴、その作品が社会に与えたインパクトなどについても多面的に考察する。