火山がゴミ捨てにも影響? 鹿児島県には“灰”専用のゴミ袋があるらしい?

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火山がゴミ捨てにも影響? 鹿児島県には“灰”専用のゴミ袋があるらしい?

2016.05.02

提供元:マイナビ進学編集部

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火山がゴミ捨てにも影響? 鹿児島県には“灰”専用のゴミ袋があるらしい?

日常生活の中で発生する、さまざまなごみ。ごみを入れる袋も市町村によっては有料の指定のものだったり、安全性を確保するために半透明のものでなければいけなかったりさまざまな規制が設けられています。

この記事をまとめると

  • 灰を詰める専用の袋は、鹿児島市内では無料で手に入る
  • 火山灰の状況は「降灰予報」で随時確認できる
  • 火山灰は建築材や陶器、そしておみやげにリサイクルされている

鹿児島県の中央に鎮座する“桜島”

克灰袋(こくはいぶくろ)

克灰袋(こくはいぶくろ)

そんなごみ袋ですが、鹿児島県鹿児島市ではある特別なモノしか排出できない専用の袋があるのをご存じでしょうか。

九州最南端にある鹿児島県。県のおよそ中央に位置し、鹿児島湾に浮かぶ「桜島」はこれまでに何度も火山活動を繰り返し、噴き出された火山灰があたり一面の地域に降り注いでいるのです。一面に積もった灰を処分するため、鹿児島市では「克灰袋(こくはいぶくろ)」を一般家庭に配布しています。

袋は、遠くからでも目立つ黄色で、容量はレジ袋と同じ程度。大きく目立つ文字で「克灰袋」と印字されていることからも「火山灰を克服するぞ!」という強い意志が感じられます。その脇には「ごみ袋として使用しないでください」とも印字されており、灰以外のものを詰めても回収されません。一袋に詰められる量は10kgまで。一般のごみ袋に詰めても回収はしてくれるのですが、市販のごみ袋にパンパンになるまで灰を詰めてしまうと相当な重さになり、集積所までの持ち運びが難しくなるためこのサイズが理想的なようです。

噴火の日に洗濯物と布団を干すのはNG!

近年、桜島の火山活動がもっとも活発だったのが2011年で、噴火の回数はなんと年間1,355回! 地元の人たちもいろいろと頭を悩ませているようですが、具体的にどんな防衛策を取って火山灰と共存しているのでしょうか?

まず噴火の日に洗濯物と布団を干すのはNG。灰が衣類や布団に付着してしまうからです。また灰の色が目立つので外出時に白いシャツを着るのも好ましくないようです。また、雨天と噴火が重なったときはさらに注意が必要です。雨と火山灰が組み合わさり、濡れた灰が洋服に染みついて色が落ちないのです。こういった事態を防ぐためにも常日ごろ傘を持ち歩く人も少なくないようです。

さらに気を付けたいのがメガネや車などガラスに付着する灰です。メガネやフロントガラスに付いた灰をこすり落とそうとすれば細かな傷が入ってしまいます。簡単に取り換えられないものだけに細心の注意を払わなくてはいけません。

火山灰は交通にも影響を及ぼします。市内を走る鉄道のレールのポイントに火山灰が堆積してポイントの切り替えができなくなり、電車が運休したケースがあります。また自動車でも路面に積もった灰によりスリップするリスクが高まります。鹿児島市では定期的に散水車を稼働し道路の清掃に努めていますが、火山灰により視界が悪くなることも十分に考えられるため、車を運転する場合は気を付けたいところです。

そんな火山灰の状況を、鹿児島地方気象台の「降灰予報」で確認することができます。天気予報と同じように、どの時間帯、どの地域で灰が降るという情報をマップで紹介してくれるのです。旅行や出張で鹿児島を訪れるという人はぜひ渡航前に確認しておきたいものです。

進む火山灰のリサイクル

一方で、市が回収した火山灰の最終処分も気になるところです。鹿児島湾をはさみ鹿児島市の対岸に位置する垂水市では、収集した灰を缶詰にした「ハイ(灰)!どうぞ」を販売しています。1缶100円(税別)ですが、中身はただの灰。用途は特になく、缶のラベルには「原材料名:桜島の降灰、垂水市民の苦悩」「内容量:ありがたくない、空からの恵み100cc」といった文言が並びます。このようなものをつくって問題にはならないのでしょうか? ラベルに書かれていた、製造元の社会福祉法人育友会障害者支援施設城山学園さんへ確かめてみました。

「特に缶に対する苦情というのはありませんでした。県外のみなさんには深刻な自然災害のように映るかもしれませんが、灰が降るのは日常のことなんですよ。それに缶の商品化も、市の方からPRグッズの一環として“こんなものつくってみないか”という提案をいただいたからなんです。製造は障害者支援施設で行っており、缶の売り上げは働いている知的障害者の賃金として支払われているのです」(担当者)

なるほど、障害者支援の一翼を担っているわけです。しかし1缶100円ではそんなに大きな売り上げにならないのでは?

「雑誌などのメディアで多く取り上げていただいたおかげで、『ハイ(灰)!どうぞ』への注目が集まり、たくさんのご注文をいただきました。あとは同窓会で出席者に配ったり、地元の人がおみやげとして他所で配ったりするようで、一度に大量に注文される方もいらっしゃいます。おかげさまで、2011年の販売開始以来、売れ行きは順調です」(同)

やっかいものの火山灰ですが、建築材に配合させたり、また鹿児島にゆかりのある陶芸家たちが灰を原材料に陶器の作品をつくったりなどの有効利用も進められています。これまでに降り注いだ量を考えると再資源化できているのはごくわずかに過ぎませんが、少しでも社会貢献につなげようとする動きが起きています。

このように、火山をはじめとする地球を構成する物質を解明し、環境や環境や災害の予測に役立てる学問を「地学」といいます。地質や地盤、地殻やマントルなどを対象とする「岩石学・火山学」などでは、地球を科学的に解明し、防災へつなげることもできます。

学問や科学の力で未来の災害をなくしたいと考えている人は、ぜひ地学について学んでみてはいかがでしょうか。


参考:気象庁
http://www.jma-net.go.jp/kagoshima/vol/data/skr_erp_num.html

この記事のテーマ
数学・物理・化学」を解説

私たちの生活基盤である自然界で生じるさまざまな事象や物質、それらが織りなす理論が研究対象です。宇宙や生物がどのようにして誕生し、どのような構造になっているのかという、究極的な知的探究心は人類ならでは。森羅万象の構造や性質、法則と変化を探求する物理や化学、その習得に必要な数学というように、これらの学問は互いに深く関連しています。未知の領域への研究を進めながら、さまざまな原理解明をしていく分野です。

「数学・物理・化学」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「地学」
はこんな学問です

地上の鉱物、岩石から地球内部のマントルまで、地球を構成する物質を解明し、今後の予測などにも役立てる学問で、「地球科学」とも呼ばれることがある。研究領域はさまざまで、天然・人工の結晶などが対象となる「鉱物学・結晶学」、地質・地盤を対象とする「地質学」、地殻・マントルなどを対象とする「岩石学・火山学」などがある。地球を科学的に解明することで、温暖化対策や災害予測にも役立てようとする学問でもある。

「地学」について詳しく見る