波の力や塩水も使っちゃう!? 海を利用した発電方法があるって知ってた?

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波の力や塩水も使っちゃう!? 海を利用した発電方法があるって知ってた?

2016.04.15

提供元:マイナビ進学編集部

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波の力や塩水も使っちゃう!? 海を利用した発電方法があるって知ってた?

環境問題への対策として、海を利用した発電方法に注目が集まっています。どのように発電を行うのか、詳しくご紹介します。

この記事をまとめると

  • 海水の力を利用した発電は、燃料を使わずに安定した供給が可能
  • 海の温度や海水の濃度を利用した、科学的な発電方法もある
  • 電力会社以外の企業も発電の分野に参入するようになった

多大なポテンシャルを秘めた海の“チカラ”とは?

今、日本では、地球温暖化防止に向けたクリーン(再生可能)エネルギーへの期待が高まっています。太陽光発電や風力発電はすでにメジャーになってきましたが、世界では「海」に着目し、海流や潮の満ち引きなどを利用したさまざまな発電方法が画策されているのです。今回は意外と知られていない“海の発電”についてご紹介します。

みなさんもすでにご存じかもしれませんが、波や潮の満ち引きは、地球の周りを回る月の引力によって起こります。波の力がとてつもなく強大なのは、海で泳いたことがある人ならば誰もが知っていることでしょう。その波の力を利用したのが「波力発電」です。波力発電には種類がいくつかあり、波の動きにより発生する風を洋上に設置した発電装置に吹き込みタービンを回す方法と、海中に設置した振り子のような板に波の圧力がかかり、その動力を油圧に変えて発電する方法、寄せ波で海面が上昇する際に防波堤を越えた波が貯留池に貯まり、水と海面との高低差を利用してタービンを回す方法があります。

また潮の満ち引きを利用した「潮力発電」という方法もあります。その発電方法ですが、まず海上に堤防で囲ったプールのような貯水設備をつくり海水を取り込みます。取り込んだ海水は一定の高さに保たれますが、干潮時に堤防の水門を開くことで中の海水を一気に流出させ、また満潮時に再度水門を開くことで空になった貯水設備に海水を流入させます。このとき発生する動力で発電をするプロセスです。

日本では1980年代からこのような海の力を利用した発電の研究が行われており、現在でもNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発総合機構)をはじめ、さまざまな実証実験が行われています。波力発電と潮力発電のメリットは波の動きを利用するため安定供給できること、燃料が不要なこと、そして二酸化炭素を排出しないことが挙げられます。しかし海上に発電装置(設備)を設置することにより生態系に被害を及ぼした報告例もあり、同時に近海漁業への悪影響、船舶の往来を妨げる可能性もあり、課題は残されています。

より自然科学に踏み込んだ発電技術の数々

海の発電はこれだけでは終わりません。水温や塩分濃度を利用した発電方法の研究も進められているのです。

「海洋温度差発電」は太陽光で温められた海面付近の水温と深海の冷たい水温の温度差を利用した発電方法です。海中に設置した「蒸発器」と呼ばれる装置にアンモニアを注入します。同時に海水も注入し、海水の熱により蒸発したアンモニアをタービンに吹き込み回転させます。タービンを出たアンモニアは回収され今度は深海の冷たい海水で冷却され再度液体に戻ります。液体に戻されたアンモニアを再度蒸発器に注入することで永遠のサイクルが出来上がるのです。

また淡水と海水(塩水)の性質を利用した「塩分濃度差発電」という技術も確立されています。まず淡水と塩水の境目を半透膜と呼ばれる素材で仕切ります。この半透膜は、水は透過するものの塩分は透過させない性質を持っているため、この結果淡水が塩水側に流れ込み、そのときに生じた圧力を利用してタービンを起動させます。これは川が海へ流れ込む地理条件を活かして全国各地に設置できるため大きな期待を集めています。また半透膜の製造にかけても日本は高い技術力を持っているので、国内の電力需要だけでなく将来的に輸出産業に発展するポテンシャルを秘めています。

これからの社会を支える、安全で持続可能なエネルギー

2016年4月から「電力小売の全面自由化」がスタートしました。それまでは発電から送電、売電を各地域の電力会社によって行われてきましたが、現在は石油・ガスといったエネルギー会社や携帯電話のキャリア各社などが売電に参入しています。もちろんみなさんの家庭でも、電気を届けてくれる会社を選ぶことだってできるのです。

電力の自由化のほかにも、電力会社以外の企業によるエネルギー分野への進出が目立つようになってきました。例えば、鉄鋼業界では、製鉄により発生する熱を回収・利用した発電(コージェネレーション)を行っています。もともとは自社で使う電力用としてリサイクルをはじめましたが、今回の改正で送電が自由化されるため、より幅広い地域・用途での利用が期待されます。また食品・外食産業では、余った食材や食べ残しを「バイオマスエネルギー」に利用する動きも見られます。食材や木の間伐材を発酵させることでメタンガスとエタノールを抽出します。発電はもちろんバイオエタノールに関してはガソリンに代わる燃料として自動車への応用もはじまっています。

このようにこれからのエネルギーは、環境負荷が少ないだけでなく安全に利用できることが求められているようです。原子力発電の是非も含め、いま日本はエネルギーについて真剣に考えなければいけない時期にきています。今回ご紹介した海の発電のように、最先端の技術を駆使しさまざまな可能性を模索しながらも、安全かつ持続可能なエネルギーを探求していくことは、電気エネルギーの性質を理解し、産業への活用方法を探る「電気工学」という学問につながります。これからの社会を支えるエネルギーについて研究したい人は、ぜひ電気工学の分野について興味を深めてみてはいかがでしょうか。

この記事のテーマ
工学・建築」を解説

工業技術や建築技術の発達は、私たちの生活を画期的に快適で安全なものに変えてきました。先人たちの生み出した知恵に新しい技術をプラスすることで、その進歩はいまも日々、進んでいます。インフラの整備や災害に強い街作り、エネルギー効率の高い動力機械や高い知能を持ったロボットの開発など、工学や建築に求められるものはますます増えるでしょう。自然との共生も大きなテーマです。理系の中でもより実地的な分野だと言えます。

「工学・建築」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「電気工学」
はこんな学問です

電気をエネルギーとして捉え、発生などの性質を研究して応用に結び付ける学問。電磁界や電気回路、電気システムの理論を学び、これらの応用について研究を進める。電気エネルギーの発生や変換を研究して活用方法を考える領域や、超電導応用の領域、制御・計測についての領域もある。石炭、石油に代わる新しいエネルギー資源として、地球環境に関することなども学習、研究し、これからの社会を支える学問でもある。

「電気工学」について詳しく見る