キムチやチーズも!? おいしいあの食べ物のつくり方は、実は“腐る”仕組みと同じだった?

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キムチやチーズも!? おいしいあの食べ物のつくり方は、実は“腐る”仕組みと同じだった?

2016.04.14

提供元:マイナビ進学編集部

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キムチやチーズも!? おいしいあの食べ物のつくり方は、実は“腐る”仕組みと同じだった?

好きな人も多い、キムチやチーズといった食べ物。実はこれらのつくり方は“腐る”仕組みとよく似ているのだとか。一体どういうことなのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 微生物を利用して食品を製造することを「発酵」という
  • 食品を発酵させることで、うまみが増す、栄養価が高まることなどが期待できる
  • 杜氏は、日本酒の原料である米麹(こめこうじ)に影響を与えないよう、日本酒造りの期間は納豆を食べない

「発酵」=「腐る」!? その違いはどこにあるの?

納豆、ぬか漬け、キムチ、チーズ……。これらの食品の共通点って、何か分かりますか? 答えは「発酵食品」であるということ。「発酵」という言葉は聞いたことがあるけれど、どのような仕組みでできるのか、よく分からないという人も多いと思います。

発酵とは、微生物を利用して食品を製造することで、その微生物や酵素が、うまみ成分やアルコールなどの有用な物質を生み出すことを指します。実はこの発酵の現象は、“腐る”=腐敗することとよく似ているのですが、有害な細菌やウィルスなど、人間にとって有害なものを生み出す場合が「腐敗」とされています。ちなみに、「熟成」という言葉がありますが、これは、食材そのものが持っている酵素によって分解が進み、うまみが増すことをいいます。微生物は介在しません。

食品を発酵させるメリットは、まず味がよくなるということ。発酵によって、たんぱく質が分解され、うまみ成分であるアミノ酸が生まれるからです。また、発酵に関わる微生物が、雑菌の繁殖を抑えることで、食品を長く保存できることにもつながります。

発酵食品とは、微生物が分解を行った食べ物です。そのため消化がよく、栄養素が体内に吸収されやすいのが特徴です。さらに分解の過程で、もともとその食品にはなかった、ビタミンなどの新たな成分が生み出され、栄養価も高まります。また、腸内環境の正常化に大きな役割を果たしてくれます。テレビの健康番組などでも、よく取り上げられていますよね。発酵食品には、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が多く含まれています。これら善玉菌が、腸内の悪玉菌の発生を抑えたり、体に侵入した病原体やアレルギー物質と戦う免疫物質を、活性化させたりしているのです。

納豆菌の驚くべき力とは?

おいしくて、健康にもいい発酵食品の中でも、私たち日本人にとって、特になじみ深いのが納豆ではないでしょうか。ご存じの通り、大豆に、枯草菌の一種である納豆菌を繁殖させて発酵させた食品です。納豆菌は稲わらに多く生息しており、昔は稲わらで蒸し大豆を包み、それを発酵させてつくっていました。途中、雑菌を死滅させるために、熱湯で茹でる工程があるのですが、納豆菌は生き続けることができます。それだけ、強い生命力を持っているのです。

納豆菌の耐性能力の高さを表す特徴は他にもあります。紫外線に強い、真空状態や宇宙空間にも耐えられる、人間の致死量の3,000倍もの放射線(ガンマ線)を照射されても生き残る、栄養源がなくても100万年以上生きると推測される、マイナス100℃の環境で生きられる、酸やアルカリに強い、などなど、まるでエイリアンさながらの強さです。

この納豆を、好きなときに食べられない職業が「杜氏」です。杜氏とは、日本酒造りの職人で、酒蔵の醸造最高責任者にあたります。なぜ食べてはいけないのかという、それには、納豆菌や麹菌といった微生物が深く関係しています。日本酒は、蒸した米に麹菌を繁殖させてつくる、米麹から醸造されます。日本酒の味を左右する大事なものなのですが、この米麹をつくるときに、生命力の強い納豆菌が付着してしまうと、納豆菌が繁殖してしまい、麹菌が醸す、本来の風味を損ねてしまうのです。納豆菌は目には見えません。もし、手や衣服などに付着していた納豆菌が、気づかぬうちに、酒造りの原料や道具を汚染してしまったら……そんな怖いことにならないように、杜氏は酒造りの期間中、納豆を食べない生活を送るそうです。納豆好きには、ちょっとつらい仕事ですね。

くさやも目じゃない! 世界一臭い食べ物と言われるシュールストレミングって?

発酵食品には、独特な匂いを持つものが多いです。日本では、納豆、くさや、たくあんなどありますが、世界には、もっと強烈な匂いを放つ発酵食品があるのです。世界で一番臭い食べ物といわれているのが、スウェーデンの「シュールストレミング」です。塩漬けにしたニシンの缶詰めで、テレビのバラエティ番組で、罰ゲームに使われることもある代物。その臭いは、腐った魚を夏の炎天下の下に、数日間放置したような臭いに例えられ、失神する人もいるほどだそう。アラバスター(臭いを数値化できる機械)によると、何と、納豆の約18倍、焼き立てのくさやの約6倍の臭いに相当します。主にスウェーデンの北部で食べられていて、現地でも好き嫌いが分かれるようです。

このように私たちが普段食べている食べ物の中には、目に見えない微生物の力が働いており、この微生物の活躍によって、私たちは日本伝統のおいしい食事を食べることができているのです。食物が生まれる仕組みや一般的な食事への普及など、食べ物の味や栄養、文化や歴史などを幅広く研究する学問を食物学といいます。食物学では、食品の加工法や保存法も研究対象になります。発酵食品について、もっと知りたいと思った人は、ぜひ食物学を専門的学んでみてはいかがでしょう。日本や世界の珍しい発酵食品に触れる機会も増えるかもしれませんよ。

この記事のテーマ
栄養・食物」を解説

食べることから健康な生活にアプローチすることを目的としています。ただ生きるために食べるのではなく、より良く生きるために食べるという考え方です。栄養学は食物に含まれる栄養素について学び、生理学の知識を踏まえ、適切な栄養指導を行います。そのためには栄養学や病理学などの広範な知識も必要です。食物学では人によっては摂取しにくい食材を食べやすくしたり、よりおいしく食べるための調理方法の研究なども行います。

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この記事で取り上げた
「食物学」
はこんな学問です

栄養や食品について専門知識を学び、科学的な視点から食の問題を解決するための学問。食品学、栄養学、調理学を総合的に用いて研究を行う。食品学の視点からは、成分や加工についての専門知識を学び、栄養学の視点からは食品が人の身体にもたらす影響について学ぶ。また、調理学からは加熱や冷凍など食品成分の変化や味について学び、総合的な専門性を身に付ける。生活との関連性が強いことから、家政学、生活科学を併せて学ぶことも多い。

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