コーヒー豆の色の確認にも使われる!? 色にまつわる大事な“チャート”って何?

デザインを考える上で、「色」にまつわる「チャート」があるといいます。一体どのようなチャートなのか、詳しくご紹介します。
この記事をまとめると
- デザイナーが色を選ぶときに使う“カラーチャート”とは
- コーヒーの世界にも、コーヒーの風味や味を表すカラーチャートがある
- コーヒー豆を色分けすることによって、風味や味の微妙な違いの認識に役立つ
デザイナーの必需品のカラーチャートって?
お菓子のパッケージやCDのジャケット、雑誌の表紙など、デザインされているもののほとんどは、たくさんの「色」を組み合わせて魅力的なものに仕上げられていますよね。「季節を感じる色」や「パッと目を引く色」など、色は人の印象にとても強く残りますから、デザインをするときデザイナーは慎重に色を選んで組み合わせていきます。
デザインをする人間が、色を選ぶときに使用するのが「カラーチャート」というものです。カラーチャートとは、世の中にあるたくさんの色の見本を配列して板状にした色見本のこと。“ブライトトーン”や“ニュートラルトーン”など色の彩度や明度の違いごとにまとめられていて、一目で色を比較したり、印刷した色がどうなるか、きちんと再現できているかということが分かりやすくなります。色を扱うデザイナーにとっては、カラーチャートは使う機会が多い、重要なアイテムなんです。
コーヒーの世界にもあるカラーチャート
実は、このカラーチャートは見た目の色を示すものだけではありません。何とコーヒーの世界にもカラーチャートが存在するのです。米国スペシャリティーコーヒー協会がつくっている「コーヒーテイスターズ・フレーヴァーホイール」というカラーチャートは、コーヒーの味を確認するもの。
コーヒーは、産地や豆の種類によって香りや苦味、深みなどが少しずつ異なります。ただ、その違いの感じ取り方には個人差があるので、共通認識するのはとても難しいですよね。そこで、コーヒーの風味や色を視覚的にわかるようにカラーチャートに表して、共通認識できるようにしようというものがコーヒーのカラーチャートです。
円形になったカラーチャートは、まず“フルーティー”や“フローラル”“スパイシー”など基本的な風味で分けられます。フルーティーに分けられたものはさらに“シトラスフルーツ”“ドライフルーツ”などに分けられ、最後の階層には“アップル”“ブルーベリー”“ココナッツ”など細かく分類されていきます。中には、「樹木のような」「薬のような」という分類もあるんですよ。奥が深いといわれるコーヒーならではの分類の仕方ですね。
コーヒーのカラーチャートが20年ぶりに更新
このコーヒーのカラーチャートが2016年1月に20年ぶりに新しくなったことが、最近話題になりました。多様化した味覚に合わせて現代風につくり直されたこのカラーチャートがあれば、コーヒー豆農家やバリスタ、コーヒー専門家などが曖昧な表現ではなく、はっきりと味や風味を定義できるようになります。これによって、コーヒーの楽しみ方も変わってくるかもしれませんね。
コーヒーのカラーチャートはデザインで使うカラーチャートとは違いますが、デザインに興味があって色の勉強をしてみたいという人は、画材店や書店などでカラーチャートが販売されていることもありますので、手にとってみると面白いですよ。また、インターネット上などでも、カラーチャートを見ることができますので、興味を持った人は、ぜひ検索してみてください。
「白にもこんなに色のバリエーションがあるんだ!」「こんな色の名前聞いたことない!」など、きっと新しい発見があるはずです。ものづくりやデザインの世界が気になる人は、ぜひ一歩足を踏み込んでみてくださいね。
この記事のテーマ
「芸術・表現・音楽」を解説
最近では、国内外を問わず活躍し、高い評価を受けているクリエイターが多くいます。絵画や造形、声楽や楽器演奏、演劇や芝居、マンガやアニメーションなど、さまざまな芸術分野で多くの人を感動・共感させる感性や技術を磨きます。また、それを裏打ちする理論や歴史を学び、指導者や研究者としてのスキルも高めます。
この記事で取り上げた
「デザイン」
はこんな学問です
物や空間をデザインするための技法と創造力を養う学問。広告、服飾、雑貨、建築物、環境、空間など、あらゆるところにデザインは必要で、分野としては「ビジュアルデザイン」「プロダクトデザイン」「スペースデザイン」「テキスタイルデザイン」などがある。美しさだけではなく、使いやすさなどの機能性が求められる点で、絵画・彫刻とは異なる。現在では、デジタル時代に対応した制作物も出ており、常に最新の文化とともに変化していく学問といえる。
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