美大卒イラストレーターに聞いた“独立するまでの道のり”
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都内の美術大学を卒業し、現在フリーのイラストレーターとして活躍されているM.Hさんへのインタビュー第2弾です! 今回は、大学卒業後Web制作会社で「デザイナー」として働き始めたころのお話を伺いました。
この記事をまとめると
- 大学卒業後に就職したWeb制作会社の研修時代について
- 研修期間修了後、待ち受けていたハードなIT業界のセオリーについて
- なぜイラストレーターに転職しようと決意したのか
ハードでバタバタのWeb制作会社研修時代
――最初に働き始めた会社はどんなところでしたか?
M.H:下請けのWeb制作会社です。会社には私が在学していた美大のOBが2人いたんですけど、社員さんが良さそうな方たちばかりだったので、“人”で入りましたね。
――入社直後はどんなことをしていましたか?
M.H:入社後、最初は長い研修期間がありました。研修と称したプロジェクト進行を1年弱くらいやってましたね。プロジェクトの中でいろいろやらせようと社員さんも頑張ってくれたんですけど、大して実にもならず(笑)。そのうちだんだんOJTのほうが忙しくなって来たので、研修自体はうやむやになって終わりました。
――研修期間中も、社員として通常業務に並行して携わっていたんですか?
M.H:そうです。でも1年目なのであまり役には立てませんでしたね。例えば「メインのイメージ作って」って言われて、作るのに丸1日かかってしまったり。
IT業界に入ってみて
――「Web業界は過酷」という声を聞くことがあるのですが、実際にどういったタイムスケジュールで働いてましたか?
M.H:当時の私の仕事が遅かったというのもあると思うんですけど、だいたい終電まで働いてました。23時半くらいまで会社にいたと思います。始業時間が10時と比較的遅い時間帯だったので、朝は楽でしたね。
――睡眠時間はちゃんと確保できてましたか?
M.H:家がそこまで遠くはなかったので、6時間くらいは眠れてました。土日は、たまに先輩のお手伝いをするくらいで、基本的にはちゃんと休めてましたね。
――研修期間が終わった2年目以降はどんなお仕事をされてましたか?
M.H:フォローをもらいながら先輩のお手伝いをしていましたが、徐々に中くらいの仕事を任されるようになりました。小規模のサイトを作ったり、バナーや素材を用意したり、ページを展開したりしていましたね。とにかくアートディレクターと先輩デザイナーのいうことを聞いて、指示通りにやるということを繰り返してました。
Webデザイナーから徐々にイラストレーターへ
――Webデザインをやるにあたって“必要な知識”は何でしょうか?
M.H:使用するソフトへの知識だと思います。会社にいたときに使っていたのが『Fireworks』というソフトなんですけど、学生時代やプライベートでも触れていたアドビシステムズの『Illustrator』や『Photoshop』とは違うものなので、覚えるのがたいへんでした。
入社した会社によって使うパソコンやソフトが異なるので、どれにも柔軟に対応できるよう、トレンドとなるような知識は常に追いかけるべきだと思います。
そうした知識を追いかけながら転職の準備をしていたのでかなりたいへんでした(笑)。
――Webデザインの知識を深めながら、イラストレーターとして独立すべく転職の準備も進められていたと。
M.H:そうですね。3年目くらいになって、案件を丸々1個任されるようになって、「デザインもある程度出来るようになってきたし、そろそろイラストレーターになりたい」と思って準備し始めました。同時進行するのはたいへんでしたが、進みたい道に向かうための努力だったので、苦にはなりませんでした。
Webデザイナーとしての実績を着実に積み上げたM.Hさんですが、人生いついかなる時も転機は訪れるもの。次回は「イラストレーター」という目標に向けてスタートを切ったころから、現在に至るまでの過程と、詳しいお仕事の内容を伺います。
[プロフィール]
M.Hさん
2010年に都内美術大学を卒業後、Web制作会社でデザイナーとして勤務。
2013年にイラストレーターとして独立し、現在はフリーランスで広告マンガの制作やイラスト、ステーショナリーグッズ、LINEスタンプ販売等幅広く活動している。
「今後の目標は、素材やイラスト、グッズなどのオリジナル分野での収入を、下請けや委託の仕事より上回ること」
この記事のテーマ
「デザイン・芸術・写真」を解説
デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。
この記事で取り上げた
「イラストレーター」
はこんな仕事です
手描き、もしくはパソコンを使ってイラストを制作する仕事。活躍の場は広告、雑誌・書籍といった印刷物、ホームページ、企業のキャラクターデザインなど。写実絵画からデフォルメされたものまで需要の幅は広い。依頼に応じて多様な絵柄を描き分ける人もいれば、一貫して独創的なタッチで制作する人もいる。後者は受注制作だけでなく、オリジナルグッズや画集、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)向けツールなどをつくって販売することも。いずれの場合も経験を積んだ後、フリーランスで活躍することが多い。
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