池田泰美さんに聞く「カラーリスト」というお仕事について
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カラーリストとして多方面で活躍されている池田泰美さん。この道17年目というベテランですが、その道のりは決して平坦なものではなかったようです。今回は、そんな池田さんに、カラーリストになるまでの経緯やお仕事の内容について伺ってきました!
この記事をまとめると
- カラーリストになるまでの経緯、転職のきっかけについて
- カラーリストはどんな仕事なのか、カラーリストだけで生活していけるのか
- カラーリストになるには何が大事か、学問や心がけるべきこと
「カラーリスト」になるまで
――カラーリストとしてのキャリアは今年で何年目になりますか?
池田泰美さん(以下、敬称略):カラーリストとしては今年で17年目です。
――学校を卒業してからずっとカラーリストとして働かれていたんですか?
池田:いえ、一般企業で1回秘書をやっています。そのあとアパレル関係の会社にMD(マーチャンダイジング)として勤務した後、30代半ばでカラーリストに転職しました。
――さまざまなキャリアを積んでいますが、カラーリストになろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
池田:アパレル会社で働いていたときに、モノを売るというよりも「自分の知識を売っていきたい」「人をきれいにしたい」思ったことがきっかけですね。それと、もうちょっとお洋服以外のことも仕事にしていきたいなと思ったんです。
――その後、専門学校に通われたり、資格を取得されたり。
池田:そうですね。カラーリストの専門学校2つに通いました。ダブルスクールというわけではなく、最初の学校を卒業した後にまた別の学校に通いました。資格は色彩検定1級と色彩認定講師、それとカラーコーディネイターの資格を3種類取得しました。全部取得するのに5、6年かかったと思います。
「カラーリスト」という武器で幅広く働く
――カラーリストだけでお仕事されている方というのは全体的にどのくらいいらっしゃいますか?
池田:カラーリストという仕事のみで生活している人はかなり少ないと思います。
――それは単純に収入面での問題ですか?
池田:そうですね。私はフリーで活動しているのですが、カラーリストだけでなく、専門学校や大学でカラーコーディネートの授業を担当しています。他にも百貨店の眼鏡売り場でカラーアドバイザーとして勤務したり、企業研修でパーソナルカラーのアドバイスをしたり、講演会を行ったり、ホテルのコーディネートやディスプレイの担当もしています。
――企業研修というのは、例えば「こんな色と合わせるとクライアントへの印象がよくなる」とか、そういったことをレクチャーするんですか?
池田:そうですね。社員さんや学生さんにコーディネートのアドバイスをします。
――ではお休みはほぼない状態ですか?
池田:はい。ほとんどないです。
「カラーリスト」になるには何が大事か
――カラーリストをやる上で、色彩学などの専門知識の他に必要なことってありますか?
池田:私はメイクのアドバイスやホテルのインテリアコーディネートなどもやっているのですが、美容やアパレル、インテリアなどの知識もあったほうが仕事の幅が広がりますね。他の人をきれいにすることももちろん大切ですが、「自分もきれいになりたい!」という気持ちも大事だと思います。
――カラーリストになりたい人、また職業選択に悩んでいる学生に向けて何かアドバイスがあったら教えてください。
池田:資格を取る場合は、仕事への「付加価値」として捉えるといいと思います。学生のうちにやりたい仕事を見つけるのは難しいですが、資格は取っておいて損はありません、特に、カラーの知識はイラストやアニメ、美容関係やインテリアなど、さまざまな職業で役に立つはずです。カラーリストになりたい人は、色彩の知識以外にもう一つ自分の強みを持っておくと良いと思います。
一口にカラーリストとはいっても、その仕事内容は人によってさまざまです。色彩についての知識を深めるだけでなく、「カラーリストとして何がしたいか」という自分の希望によって、身につけなければいけない教養や未来の選択肢も増えるようです。
次回は、受験や面接の場で活用したい「パーソナルカラー」について伺います。
この記事のテーマ
「ファッション」を解説
ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウ、感性やセンス、そして技術を駆使し、世の中に新たな流行を生み出すビジネスです。主に、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。この仕事をめざすには、作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につける他、資格取得をめざす場合もあります。