『ヒロイン失格』の作者・幸田もも子先生に聞く高校生活と漫画家になるまでの道

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『ヒロイン失格』の作者・幸田もも子先生に聞く高校生活と漫画家になるまでの道

2016.03.30

提供元:マイナビ進学編集部

『ヒロイン失格』の作者・幸田もも子先生に聞く高校生活と漫画家になるまでの道

昨年、桐谷美玲さん主演で実写映画化した『ヒロイン失格』の作者・幸田もも子先生。そんな先生が、漫画家になろうと思った理由は、勉強したくなかったから!? 高校生活のことやデビュー後の苦労といったお話を伺ってきました!

この記事をまとめると

  • 勉強が嫌いだったことが、先生が漫画家を目指したきっかけの一つ
  • 父親の「やるべきことから目を背けるな」という言葉で、漫画を本格的に描き始めた
  • 先生は、25歳までに大成できなかったら漫画家を辞める覚悟を決めていた

漫画家を目指すと決めて、教科書を捨てました(笑)

――先生は、どんな高校生でしたか?

部活には入っていなかったので、放課後に友達と遊ぶことを目的として生活をしていました(笑)。試験勉強も、最初はしてないどうしよう!? という気持ちがあったんですけど、途中から怖くなくなって、本気で勉強していませんでしたね(笑)。
追試もない学校だったので、赤点を取らず、大学の推薦に行ける範囲のラインをキープしていました。


――高校2年生のときに漫画家デビューということですが、絵自体は小学校のころから描いていたのですか?

そうですね。でも本格的に漫画を描き始めたのは高1からで、それまでは、鉛筆で描いてました。
「『漫画を描く』ということってオタクじゃん!」という気持ちがあったので、最初は家でこっそり描いていたんですけど、自己顕示欲が強かったので誰かに見てほしくなっちゃって。友達に見てもらったら「おもしろいね! 続きがみたい」と言ってくれたので、そこからオープンになりました。でも、それは漫画家になりたいという理由からではなく、趣味の延長という感じでノートに描いていました。


――そこから漫画家を目指そうと思った理由は何ですか?

私、小さいころからずっとピアノをやっていたんですよ。でも、音大に入るほどのレベルがあるわけでもないし、知り合いのジャズ喫茶でピアノを弾かせてもらいながらお小遣いを稼ごう、みたいなゆるい人生プランでいました。
でもあるとき、試験勉強をさぼって漫画を描いていたら父親に取り上げられて。「漫画家を目指すわけでもないのに、勉強から逃げて漫画を描くのはダメじゃん。お前がこれで食べていくというなら、別に勉強をしなくてもいいけど」「俺は勉強しろと言っているわけではなく、やるべきことから目を背けるな」ということを言われて。
「今から漫画家を目指すなら一生勉強しなくていいの?」って聞いたら勢いで「いいよ」と言ってくれたので、今すぐ画材を買ってちゃんと投稿する、ということをそこで約束しました。でも、これで勉強しなくていいなら、漫画家目指すわ! という軽い感じでしたが、そこからすごく人生が楽しくなりましたね。
締め切りに追われることが絶対に向いていないので、なってはいけないものだと思い込んでいたんですけど、勉強することに比べたら別に締め切りくらい何てことないなと思って、高1の2学期の期末試験くらいには、教科書を捨てました(笑)。


――そこまでしたら、後に引けないところもありますよね。

そうですね。今思うと博打打ちのようなものなんですけど。でも、そのときはまだ若いし、売れなかったらどうしようという不安もなくて。とは言いつつも最初は、全然本気じゃなくて、一作品分となる16ページを描くのに1年もかかってしまいました(笑)。でも、一度投稿した後には、「やっぱり受かりたいし、漫画家になりたい!」というエンジンがかかり、2作目でデビューできました。


――2作目でデビューされるなんて、スゴい!

でも、投稿するまでが長いんですよ。普通の投稿者って、毎月のように頑張って出すんですけど、私は遊びまくっていたので、仕上げるのに1年に1作みたいなペースでしたから。漫画家を目指すということで、勉強せずに遊べる、さらに漫画も描ける、という本当にいい武器を手に入れたんですよ(笑)。だからこそ、デビューしてからが、泣かず飛ばずで痛い目を見ましたね。

「頭のどこかに保険がある限り成功しないよ!」と母親に言われ大学中退を決めました

――その後は、どんな進路を歩んだんですか?

高校卒業後は、大学へ進学しました。実は、漫画家になるといっておきながらも大学を卒業しておけば、就職することになったとき高卒よりも採用されやすいんじゃないかなと頭のどこかで保険にしているところがあって。でも、母親に「頭のどこかに保険がある限り成功しないよ!」と言われて。「自分の中に後ろ盾がなくて、道はこれしかないってほうが火が着くでしょ」と言ってくれたので、何時間も自分の苦手な勉強をやるよりも、1分1秒でも漫画を描くことをしたほうがいいなと思えたので、大学2年のときに中退しました。

次の日には、「生活費を入れてね」、といきなり社会人扱いをされるようになりまして。
母親からバイトして生活費を毎月5万円入れるか、生活費を入れられないんだったら、家事を全部やるかという二つの選択肢をもらったんですよ。最初はバイトをしていたんですけど、そうすると漫画を描く時間がなくなってしまうので、家事を選択する形になっていきました。家事だったら午前中にがんばれば終わらせられるから、午後からは漫画を描くっていう生活をしていて。でもその生活を終わらせたくて、「早く漫画家として稼げるようになりたい!」という気持ちに火が着きました。


――周りの友達は大学生活を続けていて、孤独感はなかったですか?

もちろんありました。mixiに載っているサークルの写真を見てはモヤモヤしたり。特に小学校からの大親友は絵に描いたような大学生活を楽しんでいたので、それはうらやましかったですね。
でも、私がやることは漫画を描くことですから、とにかく漫画家で食べていけるように、最初は初単行本化を目指して、その次は初連載を目指してと死に物狂いで漫画を描くようになりました。


――漫画家として軌道に乗り始めるまでにたいへんだったことはありますか?

最初は、なんでネームが通らないのか、どこが悪かったのかっていうのがあんまり分からなくて。やってもやってもボツばっかりで辛かったですね。やっぱり自分より先に同期がうまくいっちゃったりすると焦りました。でも、それは漫画を描いている以上ずっと、付き合っていく悩みではあるのかなと思っています。

25歳までに大成できなかったら漫画家を辞める覚悟を決めていました

――形になるまでは、自信を持って「漫画を描いています!」と言えない人もいるかと思うのですが、自信を持つためにはどうしたらいいですか?

それが、そのころは漫画家に絶対なれる! という自信があったんですよ。根拠のない自信の理由を知りたいですよね(笑)。「絶対デビューできる」と思い込んでいたし、それまで有言実行でやりたいことを叶えてきていたので、できないものはない! という怖いモノ知らずでしたね。しかも、2回目の投稿でデビューが決まったので、「やっぱりね!」みたいな感じで。デビューしてからのほうが、すごく強力なライバルがいるのに、どうしたって勝てなくて、というときに初めて“できないことができた”という感じでどんどん自信をなくしていったので、高校生のころより今のほうが自信ないかも(笑)。

それまでの自信は、両親が根拠のない自信が育つような教育をしてくれたおかげのもので。そこからの自信っていうのは、自分で一生懸命少しずつ、くじけては手に入れてということを繰り返してできたものだと思います。最初の段階で自信がない人ほど、着実に自分がやってきたものを信じていけば、それが結果になっていくんじゃじゃないでしょうか。


――両親を味方につけた幸田さんですが、不安定な夢を親から応援してもらうにはどうしたらいいのでしょうか?

やっぱりちゃんとビジョンを明確に見せることではないでしょうか。いつまでもダラダラやるんじゃなくて、キリをつけることも大切なのかなって思います。私の場合は、25歳までに漫画家として大成できなかったら辞めると決めていました。
大学も辞めているので就職できる可能性は低いだろうし、そのときはどんなに人がやりたがらない仕事でもやるからという覚悟で、「漫画家になれなくても親に頼らずやります」という意思は伝えていたので、そういうことに対して、親は「分かった」と言わざるを得ないじゃないですか? 「ビジョンもないし、覚悟もないけど応援して」は、納得いかないし、ちゃんと覚悟を見せる必要があるのかなと思います。

漫画家になりたい高校生は、遊びまくって正解! とにかく青春を謳歌して

――漫画家を目指す高校生が、今のうちにしておいたほうがいいことはありますか?

高校生はとにかく青春をエンジョイすることが一番です。遊びまくって正解だと思うんですよ、本当に。それって、高校生のときしかしかできないことじゃないですか。漫画家って家にずっとこもる作業がメインだから、それを高校生のときからやるよりも、できるだけ外に出ていろんなことを吸収できるといいんじゃないかなと思います。
女の子だって、告白は1回くらいしてみたらいいだろうし、失恋だって必要なことだと思います。若いってことがもう財産だから(笑)。
そういうことが向いてないから、家にこもって漫画描いていてもいいと思いますけど、できるならば友達と遊んだりすることをオススメします。その人付き合いも、いずれ漫画のネタにつながると思うので。だから勇気を出して、できるだけ挑戦してみる。失敗できるのって本当にいいことだと思います。


「大学卒業」という「保険」を捨てて、覚悟を決めて挑戦することはなかなか勇気が必要だと思いますが、本当にやりたいことがあるのならば、先生のように後悔のないようチャレンジする必要があるのかもしれません。後編では、漫画家としてのやりがいや心掛けていることについてお伺いします。


Profile
幸田もも子
1984年9月24日生まれ。東京都出身。高校2年生で漫画家デビュー。代表作『ヒロイン失格』は、全10巻で累計140万部を超える大ヒットとなり、桐谷美玲主演で実写映画化も果たす。現在、『別冊マーガレット』にて、『センセイ君主』を連載中。

Twitter
https://twitter.com/momokokouda?lang=ja

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

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この記事で取り上げた
「漫画家」
はこんな仕事です

漫画を制作して収入を得る作家のこと。コメディー、恋愛、スポーツなどさまざまな分野が存在する。ひとコマ、4コマ、連載、長編作品まで日本の漫画文化は国際的に高い評価を得ている。物語や登場キャラクターの設定を考えてシナリオをつくり、次にせりふや場面のコマ割りを行って、最後に“ペン入れ”をするのが仕事の基本的な流れ。作品はコミック誌や新聞、雑誌に掲載されたり、同人誌をつくって発表・販売を行ったりする場合が多い。人気が出れば単行本化、映画化と活躍の場が広がる。

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