アニメと車の融合!? 萌え絵や美少女が描かれた“痛車”ってどうやってつくるの?

街中で、アニメや漫画の絵が描かれた車を見たことはありませんか? 一風変わった見た目が目を惹きますが、一体どのようにしてつくっているのでしょうか。
この記事をまとめると
- 「痛車」に描かれたイラストは塗装しているわけではない
- デジタル印刷が誕生・進化したことで個人の注文にも応えられるようになった
- 専門誌やイベントなど、痛車は今や珍しいものではなくなってきている
痛車は塗装しているようでいて、実はそうじゃない!?
テレビのバラエティーでよく聞くようになり、浸透していった“イタい”という言葉。体の痛みではなく、「なんか、尋常じゃなくヘン」というような意味で日常的な会話にも使われるようになっています。そんな、もはや珍しい言葉でもなくなった“痛い”ところを、もういっそのこと全開にして街中を走り回っているのが、“痛車”です。
痛車とは、ここ数年、街中でも見かけることが増えてきた、萌えキャラや美少女が描かれた車のこと。漫画やアニメ、ゲーム関連のキャラクターを大きく描くことで、車オーナーの痛々しいくらいの熱い想いが表現されていることが特徴です。そんな痛車、ド派手な車体は塗装されているようですが、実はそうではないのです。一体どんな方法でキャラクターのイラストが描かれているのでしょうか?
確かに、1970年代に流行った「デコトラ」(デコレーショントラック)のころはトラックの車体に直接手描きでイラストを描いていました。しかしその後は、文字などのステッカーを車の形に合わせてカットして貼るようになるなど、印刷技術の進化とともに車へのデコレーションも変化を遂げています。
デジタル印刷の進化が、簡単に自分だけの痛車を作ることが可能になった
現在では、車専用フィルムで作られたステッカーを車全体に包み込むように貼りつける「カーラッピング」、全体ではなくキャラクターやロゴなどの形状に合わせてカットしたステッカーを貼り付けることで、車のボディ色を活かしながらデコレーションできる「キャラ貼り」、1枚の単色シートを切り抜いてデザインの部分だけを残して貼る「カッティング」など、デザインのタイプによってさまざまな手法が取られています。
こうした手法は、「デジタル印刷」が生まれたことにより可能になりました。デジタル印刷では、従来の印刷で使われてきた「版」を作らなくても印刷できるため、大量に作ることのない個人の注文にも対応できるのです。
個人で好きなキャラクターの画像データを作って業者にステッカーを発注、車に貼ることもできますが、もしも失敗してしまったら車もデザインも台無しです。うまく貼れる自信がない人は熟練した技術を持っている専門の業者さんに任せたほうが良いかもしれません。
実際に痛車を作る予算は、小さな箇所にステッカーを貼る場合から車体全体にデザインする場合まで、デザインの規模によって1万円から100万円程度の幅があるようです。キャラクターデザインから注目するとなるとかなりお金がかかりますが、美少女ゲーム系のキャラクターを制作している会社などでは痛車デザインの元になるキャラクターの画像データを提供している場合もあるようです。
専門誌やお祭りが行われるほど広がっている痛車の輪
近年では、痛車専門の『痛車グラフィックス』という雑誌が刊行されていたり、日本全国から約1,000台もの痛車が集まる祭典「痛Gふぇすた」などが開催されていたりと、痛車は決して珍しいものではなくなってきているようです。また、宣伝の手法として車にラッピング広告を施すのも一般的になっていますから、痛車を作る技術は他の場所でも役に立つかもしれません。
痛車や車のラッピング広告に興味のある人は、「デザイン」を学んでみてください。デザインは、物や空間をデザインするための技法と創造力を養う学問です。デザインを学ぶことで、誰よりも人を驚かせる画期的なデザインの痛車を作ることができるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「芸術・表現・音楽」を解説
絵画や造形、声楽や楽器演奏、演劇や芝居、マンガやアニメーションなど、さまざまな芸術分野で、表現者としての感性や技術を磨きます。近年では、活躍の場を広く海外に求め、高い評価を受けている人たちも多くいるようです。作品の制作や演習などの実技はもちろんのこと、それを裏打ちするために専門分野の歴史や理論の授業も行われます。そのため、アーティストとして作品を発表する以外に、指導者や研究者としての道もあります。
この記事で取り上げた
「デザイン」
はこんな学問です
物や空間をデザインするための技法と創造力を養う学問。広告、服飾、雑貨、建築物、環境、空間など、あらゆるところにデザインは必要で、分野としては「ビジュアルデザイン」「プロダクトデザイン」「スペースデザイン」「テキスタイルデザイン」などがある。美しさだけではなく、使いやすさなどの機能性が求められる点で、絵画・彫刻とは異なる。現在では、デジタル時代に対応した制作物も出ており、常に最新の文化とともに変化していく学問といえる。
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