迷路? アート? 岐阜県にある不思議な公園を知ってる?

この記事をまとめると
- 岐阜県には、迷路のようなアートのような、「養老天命反転地」という公園がある
- 養老天命反転地の中にはさまざまなパビリオン(展示)がある
- 体の感覚がおかしくなることもあるが、体感するアートとして評価されている
公園全体がアートな「養老天命反転地」ってなに?
みなさんは公園と言えば、どんな場所を思い浮かべますか? ブランコやすべり台などの遊具があったり、砂場があったりして、子どもたちや親子連れが仲良く遊んでいる場所というイメージがあるかもしれません。
ところが、岐阜県にある「養老天命反転地」という公園は、子どもたちが楽しく遊んでいそうというよりは、まるでアート作品のような公園。公園全体が迷路のようになっていて、「脳が揺さぶられる公園」とも呼ばれているんです。
まるでテーマパークのような養老天命反転地は、この公園ができたばかりのころはケガをする人が続出したそうです。では、一体どんな公園なのでしょうか?
一つひとつのパビリオンにはテーマがある!
養老天命反転地は、「楕円形のフィールド」と「極限で似るものの家」という2つのメインパビリオン(展示)から構成されています。
巨大なすり鉢状になっている「楕円形のフィールド」の中には、「宿命の家」や「白昼の混乱地帯」、「地霊」などの名前がつけられた9つのパビリオンがあります。全体的に起伏が激しく、人間1人がやっと通れる道があったり、かなりの傾斜でまっすぐ歩くのも困難な部分も。また、「白昼の混乱地帯」には「常に、ひとであるより肉体であるよう努めること」、地霊は「地図上の約束を忘れること」など、パビリオンごとにテーマがあります。まさに、五感を研ぎ澄ませて体感するアートですね。
「楕円形のフィールド」と「死なないための道」でつながっているのが、天井が岐阜県の形をしている「極限で似るものの家」。家というだけあって家具なども配置されているのですが、ベッドが斜めになっていたり、冷蔵庫が壁にめりこんでいたりと、とても不思議な空間。床が傾斜していて、一歩足を踏み入れた瞬間から平衡感覚や遠近感が失われます。テーマは、「自分の家とのはっきりした類似をみつけるようにすること」「思わぬことが起こったら、そこで立ち止まり、20秒ほどかけてよりよい姿勢をとること」など、いくつかの項目があります。もし中でバランスを失うような気がしたら自分の名前を叫んでみるといいのだそうです。
美術学を学びたいなら日ごろからアートを体感して
養老天命反転地をつくったのは、世界で活躍するアーティストの荒川修作氏と、パートナーで詩人のマドリン・ギンズ氏という2人の芸術家。なんと、三十数年も構想を練ってようやく実現したものなんです。
アートとは、鑑賞するだけのものではありません。養老天命反転地のように、体感するアート作品もあるのです。こうした体感するアート作品に日ごろからたくさん触れることで、美術について詳しく学んだり、美術史を掘り下げていく中で、美術の面白さをより深く知ることができるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「芸術・表現・音楽」を解説
最近では、国内外を問わず活躍し、高い評価を受けているクリエイターが多くいます。絵画や造形、声楽や楽器演奏、演劇や芝居、マンガやアニメーションなど、さまざまな芸術分野で多くの人を感動・共感させる感性や技術を磨きます。また、それを裏打ちする理論や歴史を学び、指導者や研究者としてのスキルも高めます。
この記事で取り上げた
「デザイン」
はこんな学問です
物や空間をデザインするための技法と創造力を養う学問。広告、服飾、雑貨、建築物、環境、空間など、あらゆるところにデザインは必要で、分野としては「ビジュアルデザイン」「プロダクトデザイン」「スペースデザイン」「テキスタイルデザイン」などがある。美しさだけではなく、使いやすさなどの機能性が求められる点で、絵画・彫刻とは異なる。現在では、デジタル時代に対応した制作物も出ており、常に最新の文化とともに変化していく学問といえる。
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