結婚式に巨大グマが参列! 人間と動物の共生ってどこまで可能?

この記事をまとめると
- 凶暴なイメージのクマだが、アメリカには人と一緒に暮らすクマがいる
- 自然環境の変化のせいで、クマが人間を襲う事件が多発している
- 動物の生態への理解をより深めることが、共存の可能性を開くカギ
プーさんとは大違い!? 実は凶暴なクマ
「くまのプーさん」のグッズを持っているという人も多いのではないでしょうか。もちろん本物のクマはプーさんのかわいらしいイメージからは程遠く、体重は数百キロに及び、走るスピードも時速50キロにまでなると言われるほどの迫力です。凶暴な一面もあり、人間を襲うこともあります。
しかし、アメリカには、そんなクマと暮らすコワイもの知らずな人物がいるとのこと。その姿が、世界中から注目を集めています。
人間と生活を共にするクマのブルータス
アメリカの自然活動家ケーシー・アンダーソンさんは、ある日、2匹の子グマに出会いました。アメリカにはクマの収容所があり、そこで産まれたのがこの2匹だったのです。片方の子グマはやがて亡くなってしまいましたが、彼は残った1匹をブルータスと名付け、自ら母親代わりとなって育てることを決意しました。
出会ったばかりの頃は片手で抱けるほどのサイズでしたが、現在は数百キロの体にまで成長したブルータス。それでも一緒にプールに入ったり、家や野原で遊んだり、まるで家族と同じようにケーシーさんと生活しています。さらに、彼が結婚式を挙げた際には、ブルータスもその場に出席したのでした。
ケーシーさんとじゃれあってキスをしたり、誕生日パーティを一緒にしたりする姿を見ていると、「凶暴」なだけではない優しいクマのイメージが湧いてきます。ケーシーさんもクマに対する悪いイメージを取り払うために、こういった生活を続けていきたいと考えているようです。
しかし、ブルータスと同じグリズリーという種のクマは、アメリカの住民を悩ませてきた存在でもあります。山から下りてきたグリズリーがゴミをあさったり家に侵入したり、さらにひどい場合は人を襲ってしまうこともあるからです。日本でも、最近は野生のクマが頻繁に目撃されており、人が襲われる事件が多発しています。これは、クマの食料が不足していることや自然環境の変化など、さまざまな理由が考えられています。
人間と動物がうまく共存していくには?
人間を襲うとクマばかりが悪者として取り上げられがちですが、森を破壊し、彼らの生活場所を奪ってきた私たち人間にも大きな責任があります。「トラブルを起こしたクマは捕獲する」という方法で対処していくのではなく、これからは、いかにクマと人間が共存していくかの道を探っていかなければなりません。それには私たち一人一人が動物の生態に理解を深め、意識を高めていくことが大切です。
生物学を学べば、動物の生態や行動を知ることができるのはもちろんですが、自然の中で行うフィールドワークで、実際に自分の目で動物の様子を確認する機会もあります。そしてデータ収集や分析を行うことで、新たな動物の生態を発見できることもあるのです。将来、あなたの発見が、共存への可能性を開く大きなヒントとなるかもしれません。
この記事のテーマ
「農学・水産学・生物」を解説
私たちはほかの生物から栄養をもらって生活をしています。しかも、採集や狩猟だけではなく、食物を生産するという手段を得て、今日のように繁栄しました。人口増加や環境悪化などに対応し、将来的に安定した食料の確保を維持するためには、農業、林業、水産業などの生産技術の向上が必要です。さらに突き詰めて考えれば、動植物や微生物などの多様な生物に対する研究も重要です。自然との共生が大きなテーマになる学問です。
この記事で取り上げた
「生物学」
はこんな学問です
マクロな地球の生態系からミクロな細胞の世界まで、さまざまなレベルで起きている生命現象を実験・観察することによって研究する学問である。人間を含めた動物・植物・微生物など、あらゆる生命体が研究対象となる。主な研究分野としては、タンパク質を中心にした生体内の高分子の機能をその構造から研究する「構造生物学」、生態系の構成要素である生物と環境の関わりを研究する「環境生態学」などがある。
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