時代劇、SFに恋愛もの。映画や舞台の衣装はどのように作られている?

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時代劇、SFに恋愛もの。映画や舞台の衣装はどのように作られている?

2015.08.17

提供元:マイナビ進学編集部

時代劇、SFに恋愛もの。映画や舞台の衣装はどのように作られている?

服飾系の大学を卒業してアパレル会社にて企画職の経験を持つ黒澤が、服飾系大学で映画舞台衣装を学んだ経験を活かして、映画や舞台の衣装についてお話します。

この記事をまとめると

  • 映画や舞台の衣装を選ぶプロフェッショナルがいる
  • 衣装選びにはセンスだけではなく、洋服に関する幅広い知識も必要とされる
  • 映画「ロミオとジュリエット」は衣装を効果的に使っている

映画の役者が着る衣装を選ぶのは、意外とたいへん!

映画や舞台を見ていて、役者さんの衣装を強く意識することはあまりないと思いますが、この衣装選びの裏には人知れない努力が隠されています。

役者の衣装を選んだり準備したりするのは衣装スタッフの仕事になります。現場では“衣装さん”なんて呼ばれたりします。
衣装スタッフの仕事は台本を読むところから始まります。

まず押さえなければならないのが、物語の舞台設定です。江戸時代の日本が舞台なのに、ネックレスやイヤリングをした登場人物が突然出てきたら不自然ですよね。平安時代の着物を着ていても、見る人が見れば分かってしまいます。細かい部分ではありますが、見ていてもリアリティがないと物語に入り込めないということはありますよね。
このため衣装スタッフはさまざまな国々の衣装を把握していなければなりません。

他にも登場人物がどのような性格なのか、どういった状況に置かれているのかといったことを読み解いて反映する必要があります。
例えばきつい性格をとがったメガネのフレームで強調したり、赤いアイテムを取り入れて怒りをほのめかしたり、といった具合です。

衣装スタッフにはファッションセンスだけではなく、洋服やその歴史に関する知識、物語の読解力、想像力なども求められるのです。

舞台と映画の衣装は別物?

衣装選びには、舞台と映画とで異なる点があります。

まずは舞台の衣装を選ぶポイントをご説明します。
舞台で使われる照明は、通常使われているような蛍光灯などよりずっと強いものです。その照明に照らされたときにどのように見えるかを考慮します。
“舞台映え”という言葉もあるように、遠目から見たときにも目立つような柄やアクセサリーが選ばれることもあります。あまりに小さなピアスだと、客席から見たときに気づかないこともありそうですよね。
また舞台は何十回、何百回と公演されることがあるため、丈夫な作りにしておくことが求められるでしょう。

一方映画では、舞台と違ってカメラのズーム具合などによって、洋服の細かい部分まで画面に大写しにされることがあるため、細部まで作りこむことが求められます。ほつれていたり、縫い目が雑だったりしたら見ていて興ざめしてしまいますよね。

舞台と映画、それぞれ限られた予算の中で、優先順位をつけて衣装を作り上げていくのが衣装スタッフの腕の見せどころでもあります。

衣装に気をつけて見たい映画「ロミオとジュリエット」

衣装が効果的に使われている映画が「ロミオとジュリエット」。いがみ合っている2つの一家の息子と娘、ロミオとジュリエットが恋に落ちる物語です。

物語の序盤では、ロミオとジュリエットは対照的なイメージの衣装を着ています。例えばロミオとその家族は青い衣装を、ジュリエットとその家族は赤い衣装を着ている、といった具合です。
物語が進むに連れて2人は惹かれ合い、恋に落ち、家族に内緒で結婚式を挙げることになります。この結婚式のシーンでは、2人とも紫色の衣装を着ています。この紫は赤と青の中間色です。
最後に家族に引き裂かれそうになり、2人が死を選ぶシーンでは、2人とも白い衣装を着ています。あくまでも筆者の見解ですが、これは色の抜けた白で2人が消えてしまうことを象徴しているように読み取れます。

このように「ロミオとジュリエット」は衣装の効果的な使い方を考えさせられる映画なのです。シェイクスピアが書いた名作でさまざまな監督がこれを原作に映画を撮っているので、映画ごとの衣装の違いを見比べるのも面白いかもしれません。


ファッションの学校というと最先端のことを中心に学ぶイメージがあるかもしれませんが、映画や舞台の衣装が専門だと、決してそうとも限りません。
衣装にはその時代の生活様式だけではなく、文化も深く関わっています。例えば女性の衣装は社会での女性の立ち位置を分かりやすく反映していることがあります。以前ヨーロッパで着用されていたコルセットや中国にあった纏足文化からもうかがい知れるように、無力で美しくあることを良しとする時代もあったようです。
ファッションを通して文化を学ぶというのも、面白い学問ではないでしょうか。


ライター:黒澤 由華(くろさわ ゆか)
服飾系大学で映画舞台衣装を専攻に学ぶ。卒業後、10代後半~20代レディースカジュアルファッションのアパレル会社にて企画職として従事。
結婚式など、冠婚葬祭のフォーマルな場での装いに深い知識を持つ「フォーマルスペシャリスト」資格を保有。
現在はファッションライターをしながら、一児の母として子育て中。

この記事のテーマ
生活・服飾・美容」を解説

生活・服飾・美容の分野には、生きていくために必要不可欠なものだけではなく、それによって生活がより豊かで快適になることを目的としているものもあります。たとえば生活学では、だれもが安全で快適に暮らせる空間を実現するために、ユニバーサル・デザインの研究を行います。服飾や美容は、トレンドや利用者によって多様化するニーズに対応するために、素材、色、デザイン、施術方法など、あらゆる角度から美を追究しています。

「生活・服飾・美容」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「服飾・被服学」
はこんな学問です

服飾について専門的に学び、より優れた服飾を追究する学問。世界各地の服飾文化について、歴史や存在意義、機能性などを分析し、科学的な視点から服飾文化の向上や創造に役立てるのが主な目的。デザイン、縫製など服飾造形の技能を追究し、習得する「プロダクトデザイン分野」、繊維の性質や加工、管理を学ぶ「テキスタイル化学分野」、商品流通や消費を研究する「消費科学分野」のほか、文化財となる服飾品の保存を学ぶこともあり、領域は幅広い。

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