キラキラネーム、気に入らなければ改名できる?

この記事をまとめると
- 近頃多いキラキラネームは、きちんとした理由があれば改名することもできる
- その名前による苦痛や生活面での支障があれば、きちんとした理由になる
- 改名のような手続きを、法律面でサポートしてくれるのが弁護士
申請すれば、自分の名前を変えられるかもしれない!?
今どきな命名と、パッと見ただけではなかなか読めない漢字の当て字。これらはキラキラネームと呼ばれていますが、その名前をつけられた本人が申請すれば、改名できることもあるようです。高校生のアキラくんが、弁護士のお父さんに聞いています。
きちんとした理由があれば、改名は認められる!
アキラ「なあ父さん。俺たちの名前って、自分の意思で変えることはできるの?」
父「どうした、急に! もしかして、アキラという名前がいやなのか?」
アキラ「いや、そうじゃないよ。俺の友だちがすごく変わった名前で、漢字も誰も読めないような字を使っているんだ。その友達はいつも『初対面の人は、絶対に俺の名前を読めないし、こんなヘンな名前は恥ずかしい。もう変えたい!』って言ってるんだよ。それで、父さんに聞いてみたんだ。父さんは弁護士だから、そのあたりの法律にも詳しいと思って」
父「ああ、そういうことか。実はね、名前を変えること自体は法律で認められているんだよ。ただ、誰でもいつでも変えられるわけではない。『正当な事由』が必要だ」
アキラ「なんだよそれ? 正当な事由ってナニ?」
父「簡単に言えば、きちんとした理由が必要ってこと。たとえば、外国人が日本人として帰化する場合なんかは分かりやすいな」
アキラ「ああ、そういうことか。じゃあ、『名前がヘンだから変えたい』なんて理由はダメだよね?」
父「いや、そんなこともないぞ。改名が認められる事由として、『読みにくかったり、奇妙な名前だったりするために、生活のさまたげになる』というのも入っているんだ。だから、家庭裁判所が『その名前は、生活のさまたげになっている』と認めれば、改名が許される」
アキラ「生活のさまたげか……。でも、そんなのどうやって認めてもらえばいいの?」
父「そこで、お父さんのような弁護士の出番だよ。たとえば名前を読み間違えられたり、読み方が分からなかったりすることで、今までどんな不便があったか。さらには、どれだけつらい思いをしてきたか。こういうことを弁護士が聞いて、裁判所にアピールするんだ。裁判官がそのアピールに共感してくれれば、改名が許される。まあ、弁護士にお願いせず、本人が自分でやってもいいんだけどね」
アキラ「そうなのか。ちなみにお父さんは、実際に改名したいって相談されたことあるの?」
父「ああ、あるよ。2人ほどね。その人たちはやはり変わった名前に苦しんでいたから、話の内容をきちんとまとめて裁判所に提出した。そしたら、どちらも改名をOKしてくれたよ。といっても、裁判所の担当者によって判断基準は変わるから、『こういうケースなら絶対大丈夫』ということはないんだけどね」
アキラ「へー、父さんやるね! やっぱり弁護士は市民の味方だね」
父「あくまで、きちんとした理由がある人じゃないと弁護士も方法がないけどね。特に理由もなく、なんとなく変えたいではダメなんだ。そのあたりの判断も弁護士には求められるね」
アキラ「くー、父ちゃんかっこいい! じゃあ、友だちにこの話伝えてくるよ」
父「ああ、そうしなさい! ちゃんと『父さんかっこよかった』っていう感想も付け加えるんだぞー!」
人々の悩みを、法律の中で解決する「弁護士」
改名のようなケースでも、重要となるのは法律。その中で、人々の悩みや苦しみを法律に照らし合わせながらサポートするのが弁護士です。弁護士の協力によって、人々の悩みが解決されることがあるといえるでしょう。その一方で、法律に関わるからこそ、間違った判断は許されません。弁護士は、法律を基に人々をサポートするやりがいのある仕事だと言えそうです。
この記事のテーマ
「公務員・政治・法律」を解説
公務員採用試験などの対策や司法書士など法律関係の資格取得のための学びが中心で、官公庁や行政機関の採用試験科目を段階的に学び、各種試験の合格を目指します。将来は公務員として行政に携わるほか、政治活動を支える政党職員などの仕事が考えられます。弁護士や検察官など法曹の道へ進みたい場合は、大学や法科大学院への進学が必須です。
この記事で取り上げた
「弁護士」
はこんな仕事です
法律の専門家として、依頼者の利益となることを主張して権利を守る仕事。借金返済や離婚・相続など企業や個人の間のトラブルを扱う「民事事件」と、国が刑事被告人を裁く「刑事事件」の2種類がある。法廷に立つだけでなく、依頼者の相談内容をヒアリングしたり、書類を作成したりと、その業務は多岐にわたる。当然、膨大な法知識が必要であり、弁護士になるためには国家試験の中でも最難関といわれる司法試験を突破しなくてはならない。