料理の味に、花の香り。文字でどこまで表現できる?

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

料理の味に、花の香り。文字でどこまで表現できる?

2015.08.03

提供元:マイナビ進学編集部

料理の味に、花の香り。文字でどこまで表現できる?

文学の世界では言葉で何でも表現することができます。言葉、文字によるコミュニケーションを活用することで、受け手にはどこまで深い内容を伝えられるのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 昔から人は「おいしい」ということを言葉で表現しようと試行錯誤してきた
  • 文化の違いによって同じものでも国が変われば表現や言い表す言葉がないことも
  • グローバル化する現代において比較文化はお互いの国の理解を深めるきっかけになる

色んな「おいしい」を別の言葉で表現するのは難しい?

おいしい食べ物は世に溢れていますが、例えば焼き肉のおいしさとケーキのおいしさを同じ「おいしい」でひとくくりにしてしまって良いものでしょうか。どれだけ写真やバーチャルの技術が進歩しても、まだ食べ物のおいしさや触感、人の感情などを完璧に再現することはできていません。古今東西、作家やライターといった人々はそれを「言葉」「文字」だけで表現することに挑み続けてきました。
例えば、こんな言葉で表される「おいしい」食べ物は何でしょうか。

「玉のように半透明に曇った肌が奥のほうまで日の光を吸い取って、夢見る如きほの明るさを伴っている」(谷崎潤一郎「陰翳礼讃」より)

これは耽美派の作家として知られる谷崎潤一郎の、「ようかん」の描写です。 まるで宝石とも思えるようなこの表現からは、上質なあんで作られたみずみずしいようかんの様子が読み手にイメージされます。
このように、言葉による表現は時に映像よりも強い印象を読み手に与えます。

「雨宿り」という意味の英単語はない?

他の例を見てみましょう。「おいしい」という意味の言葉は、もちろん外国語でも存在します。では、「雨宿り」は英語でなんと表現するのでしょうか。

日本には「雨」を表現する言葉がたくさんあります。国語辞典で「雨」をひいてみると、通り雨・夕立・時雨・五月雨・土砂降り・雨宿りなど、天に関する多くの言葉が見つかりますね。しかし、この中の「雨宿り」を英語で表現しようとすると「take shelter from the rain」とでもなるでしょうか。英語には「屋外で雨に降られた時、雨がやむまで軒下などでしばらく待つこと」を一言で表す語がないのです。
日本は気候的に温暖で雨が多く、人々の生活と密接な関係を持っていました。そのためたくさんの「雨」を表す言葉が生まれたと言われています。しかし、日本とは気候も文化も異なる英語圏では、日本語にあるような単語がない場合もあります。逆に外国にはあって日本語にはない表現もあります。中央アフリカ周辺で話されているバントゥー語で「hanyauku」は、この単語だけで「熱い砂の上をつま先立ちで歩く」ことを表します。土地柄がよく表れていますね。

このように国同士の文化や環境の違いにより同じ意味を表す単語や表現がない場合は、外国語を母国語に翻訳すると非常にまわりくどくなってしまうことがあるです。

言葉による表現は無限大! さまざまな表現の仕方を学ぼう

このように、母国語・外国語を問わず、さまざまな言葉の組み合わせによって生まれる表現はまさに無限大です。スポーツの技術を磨くのにたゆまぬ鍛錬が必要であるように、一つの表現に満足することなく、さまざまな言葉の使い方を学ぶことは、自分自身の世界観をより多彩に広げていくことにもつながります。まず何はともあれ書いてみる、表現を作ってみることが、言葉の表現力を磨く第一歩といえるでしょう。文学・語学・文芸学を学ぶ大学の多くは、各々が表現したものを互いに講評し合うなどして言語センスを磨いています。「おいしい」という言葉を使わずにおいしさを表現する、文字数を制限して表現するなどの方法を取り入れている授業もあります。
また、その国独自の表現を学ぶには、その国の言語を学ぶと同時に、「比較文化」として風土・宗教・歴史などの背景も学び理解を深める必要があります。グローバル化が進む現代において、こうした学びは一層注目を集めることになるでしょう。

この記事のテーマ
文学・歴史・地理」を解説

文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。

「文学・歴史・地理」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「比較文化学」
はこんな学問です

グローバル化する世界に対応するため、国や民族ごとに異なる文化を比較しながら、相互に理解し合えるような基盤づくりをめざす学問。比較研究する文化の内容としては、歴史、言葉、芸術、ライフスタイルなどがある。また、他国や多民族の文化を比較研究するには自国の文化を深く知らなければならない。したがって、日本文化についても理解を掘り下げていく。それと同時に、相互理解を図るのに欠かせない外国語の習得など、言語運用能力も磨いていく。

「比較文化学」について詳しく見る