降水確率0%でも雨が降るかもしれないってホント?

この記事をまとめると
- 天気予報は過去の観測データの平均から算出されている
- 降水確率90%とは、「一定の時間のうち雨が降る確率が90%」という意味
- 「晴れ時々雨」とは、晴れのうち一定の時間、断続的に雨が降るということ
天気予報は当たらない!?
体育祭や修学旅行のときなど、外でイベントがあるときは天気が気になりますよね。朝出かける前にテレビや新聞でその日の天気を確認してから出かける人も多いでしょう。
でも、天気予報はあくまで「予報」。当然、当たらないこともあります。「降水確率がかなり低かったから傘を持って行かなかったのに、夕方に急に雨が降った」、「一日中雨の予報だったから長靴で出かけたのに昼間に晴れた」という経験をしたことがある方も多いかと思います。そもそも、降水確率とはどうやって計算されているのでしょうか?
降水確率は今までの観測データに基づいて算出されている
あまり知られていませんが、降水確率は雨が降る時間や、雨が降る量は関係ありません。降水確率90%というと一日雨が降り続けるような気がしてしまいますよね。でも、降水確率とは「一定の時間のうちに1mm以上の雨が降る確率」のことをさしているので「降水確率が高い日は一日中大雨が降る」というわけではないのです。ただし、「1mm以上の雨が降る確率」であるため、降水確率0%の場合でも、1mm未満の弱い雨が降る可能性はある、ということも考えられます。
では、その降水確率はどうやって算出されるのでしょうか。降水確率を発表する気象庁には、過去の天気のデータがたくさんあります。たとえば、1月1日の降水確率を出すときには、寒気や暖気、気圧配置などがその日と似かよった条件の天気のデータを過去の資料から集め、そのうちどれだけ雨が降ったかということを調べているのです。つまり、「1月1日の降水確率が30%」とは、「1月1日と同じような気象条件がこれまで100回あったうち、30回は雨が降った」ということを意味しています。
「晴れ時々雨」にも意味がある?
ほかにも、天気予報の「時々」とは、ある現象が断続的に発生する時間が予報期間の1/2未満であることを意味しています。「晴れ時々雨」なら、全体的には晴れの時間が長いのですが、ある一定時間のうち半分に満たない時間、たとえば1時間の予報だったら30分未満、3時間だったら1時間半未満は雨が降る、という意味です。これが「晴れ一時雨」なら、全体的には晴れで、そのうち1/4未満の時間は雨が降る、ということになります。「時々」と言われると曖昧な気がしてしまいますが、実はちゃんとした定義があったのですね。
このように、天気予報は昔から研究され続けている気象学と地理学、そして長い間記録されているばく大なデータを基に計算し、算出されています。地理学は、空間や自然と経済、社会、文化などの関係を研究する学問です。地理学を学んで、より正確な天気予報ができるようになれば、多くの人の役に立てるようになるかもしれません。
この記事のテーマ
「文学・歴史・地理」を解説
文学は人々の暮らしや感情の変化などについて、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解きながら比較して、人のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、地形や気候、歴史的事実や遺物・遺跡などの手がかりをもとに、私たちの生活や文化・経済活動などについて、その成り立ちから考えていきます。
この記事で取り上げた
「地理学」
はこんな学問です
地理学には2つの顔がある。一つ目は地形や気候、植物の生育や水の循環などを研究する自然地理と、政治・経済活動、人口問題、都市生活などを研究する人文地理である。その他、地球レベルでの環境問題や異常気象による自然災害を、そこに暮らす人間との関係において調査研究を行い、改善策を提案することもできる。また、さまざまな領域に活用されているGIS(地理情報システム)も研究対象である。
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