親の「教育方針」と、そのための「最大限の努力」
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「やりたいことをやれ」と言い、成績をさほど気にしない両親。これは教育放棄ではなく、私が「本当にやりたいこと」を見つけると信じ、かつそれを支えるための多額な貯金をするという親の強い想い・意志からなされたことであった。
この記事をまとめると
- 両親は放任主義的な一方で、子供の選択を尊重できるよう多額の貯金をしてくれていた
- この教育方針だからこそ生まれる感謝の気持ちが大きなやる気になった
- 教育方針はそれぞれだが、親孝行は早いうちからしておこう
教育方針は、「やりたいことをやれ」
Q. 受験に関して、土田さんのご両親はどのようなご様子でしたか?
A. 早い時期から一貫して「やりたいことをやれ。相談相手にはなるが、結果に対する責任は自分で取れ」と言われ続けていました。私立中学へ進学するかに始まり、どの大学を目指してどの程度勉強すべきか、滑り止めの大学を蹴って浪人するか。両親は、豊富な知識・経験をベースに、自分たちの望む判断への誘導役ではなく、単なる相談役としてアドバイスをくれました。そのアドバイスを強制することもなく、最終的な意思決定は私に一任してくれました。
親元を離れるときに知った「最大限の準備」
Q. かなりの放任主義だったのですね。ただそれは、ともすれば「自分のことに関心がないのでは」という気持ちになることもあるかと思います。現在は親元を離れていますが、実際の親の気持ちなどを知る機会はありましたか?
A. 上京前、仕送り額の相談のときに聞いた貯蓄の多さに驚いたことは覚えています。お金を理由に私の希望を諦めさせないために、親として最大限の準備をしていたようです。それまでも必要なところにはきちんとお金をかけてもらえていたので、収入から察するに、両親は私たちのために相当な我慢をしてくれていたのではないかと思います。これからより一層恩返しをしていければと考えています。
親の想いがエネルギーに
Q. 子を思う気持ちを、表には出していなかったのかもしれませんね。では、高校生に向けて、親子関係についてメッセージをいただけますか?
A. 放任主義的な教育方針によって、両親は、自分たちに比べて視野が狭い子供が、長期的に考えればベストとは思えない選択をするリスクを抱えていたと思います。それでも両親は、どんなときも私の決定を尊重し、サポートしてくれました。私には弟がいるのですが、私も弟も、その教育方針で良かったと両親が思ってくれるような息子に育ちたい、といつしか思うようになっていました。その気持ちが、苦しい局面でもそれを乗り越えるための大きなエネルギーとなっています。
教育方針は家庭それぞれですが、親が子どもを思う気持ちは変わらないはずです。親がいつもしてくれることの有難さに後から気づくことが往々にしてあります。高校卒業後は親と関わることのできる時間も大きく減ってしまうので、できるだけ早くから親孝行していきたいと思います。