東大受験のすすめ:私を東大に導いた、東大生の姿~進路選び編~
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三浦瑠偉の体験記。東大志望のきっかけとなったエピソードを中心に展開します。ここから、前編では高校時代から多くの人と触れ合う大切さを、後編では、高校生のうちから進路、学部についてよく調べることの大切さを伝えます。
この記事をまとめると
- 他大学のオープンキャンパスにも参加し、そこから東大の雰囲気をより知ることにつながった
- ただ、東大が理想化されていた面もあり、自分の進路について真剣に考えていなかったことを反省している
- 自分の視野を狭めないように、読書などで興味のアンテナを広く立ててほしい
他大学を知ることで、より東大の特徴が分かった
Q. 三浦さんは、高2で東大受験を決めたそうですが、そこからも他大学のオープンキャンパスにも行っていたそうですね。その理由は何ででしょうか?
A. 志望が固まったとしても、他大学がどのような雰囲気かを知らなければ、仮に志望変更を迫られたときに困るだろうと思ったからです。また、他大学の雰囲気を体感することで、東大との雰囲気の違いを知ることにもつながりました。
ただ、自分の場合は、「もしも」に備えるためという程度の比較検討でした。当時の僕は、心の底ではやはり東大一本に決めていた意識が強すぎて、他大学・他学部との比較検討を真面目にやっていなかったのではないか、といまは反省しています。僕は1浪して東大に入学しましたが、現役の時から、浪人してでも東大以外に入る気はありませんでした。また大学1年生の時に、記号論理学や哲学の講義を受けたのですが、同時に受けたマクロ・ミクロ経済学よりも面白く感じられたのです。特に哲学は、高校時代の自分なら面白いと思うことはありませんでした。今、自分の進路をどうするか、もう一度考え直しています。
自分で自分の視野を狭めないように
Q. 東大に入ってから、自分が本当に学びたいことが何か、という迷いが生まれたわけですね。では、この経験から、高校生の皆さんに、何かメッセージをお願いします。
A. 志望大学や学部への強い熱意を持つことは、もちろんいいことです。ただ、それで自分の可能性を狭めることも避けてほしいですね。特に学部については、僕の例のように、大学に入って初めてその面白さが分かる学問もあります。
僕の場合は、東大生の先輩に憧れるあまり東大が理想化され過ぎて、自分でいろいろな選択肢を見つめる視野を狭めてしまった面があります。もちろん東大に入った後悔は全くありませんし、経済学自体も楽しく学べています。ですが、世の中には面白い学問がまだまだあるはずです。ですから、志望が1つに決まっていたとしても、興味のアンテナは広く持っていてほしいと思います。僕が高校時代にやっておけばよかったと思うことは、読書の分野を広げることです。僕は興味のない本を読まない性格なのですが、たとえば新書本では、さまざまな学問分野において、高校生でも理解できるように平易に書かれた入門書が出版されています。そういった本を高校時代に読んでおけばよかったと思います。